WHOテドロス事務局長が再任確実 対立候補なしに疑問の声「正気かよ」

WHOのテドロス事務局長(ロイター)

来年、5年間の任期を満了するWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が再任確実になったことで、多くの批判的な声が上がっている。

テドロス氏は中国・武漢を〝震源〟とする新型コロナウイルス感染症に対し、当初は「人やモノの移動を制限する必要はない」、「世界的パンデミックではない」と楽観視。直後に中国の旧正月・春節で多くの中国人が世界中に散らばったことで、世界的大流行を一気に加速させてしまった〝前科〟がある。

それにもかかわらずの再任だ。しかも、9月末の事務局長選の立候補締切までにテドロス氏しか立候補者が現れず、〝無投票再任〟というから批判の声は高まるばかりだ。

ネット上には「再任って正気かよ」という声から、「対立候補がいないくらい人材不足な組織に世界の保健衛生を任せていいのか?」といったWHO批判まで、さまざまな反応が…。

また、これまでテドロス氏には「中国忖度」と言われても仕方がない言動の数々があったため、〝無投票再任〟となることに「中国の圧力があったのでは?」と〝中国黒幕説〟を疑う人も出ているほどだ。

実際は欧州連合やアフリカ諸国など28か国がテドロス氏を候補者に指名した一方で、米英とともに中国もテドロス氏を候補者として指名していない。テドロス氏の過去の言動により、再任確実と聞いて無条件でアレルギー反応を示した人が多かったようだ。

なお、2006年のWHO事務局長選では、現在、日本政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が、中国の推す候補に敗れている。

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