ゼロワン非道さん追悼セレモニー 妻の工藤めぐみGMが胸中「同じデスマッチにチャレンジする者として…」

追悼ゴング後に挨拶する工藤めぐみGM(東スポWeb)

17日に51歳で死去したプロレスラーのBADBOY非道さん(本名高山秀男)の追悼セレモニーが、30日のゼロワン東京タワー大会で行われた。セレモニー後、非道さんの妻でゼロワンの工藤めぐみGM(52)が本紙の取材に応じ、悲しみの胸中を語った。

――悲しみが癒えない中で失礼します。非道さんと初めて会ったのはFMWに在籍していた頃

工藤GM(以下工藤) その時は他団体から乗り込んできたので、最初は全く接点もなく、話すこともなかったです。でもある日、たまたまみんなで食事に行くことがあって、その辺りから話すようになったかな。

――気が合った

工藤 リング上では無鉄砲で破天荒な感じですが、リングを下りたら本当に礼儀正しい人だった。私のほうが先にデビューしていたというのもありましたが、言葉遣いとかあいさつももちろんしっかりしていた。本当にびっくりするほど礼儀正しかったですね。

――自身も女性デスマッチファイターで名をはせた。それで尊敬の念を

工藤 尊敬とかではないと思うんです。ただ当時はまだデスマッチが浸透していなくて、否定派も多かった。そんな中で同じデスマッチにチャレンジする者として、という気持ちもあったと思う。

――工藤さんのFMW時代の師匠で、非道さんと抗争を繰り広げた大仁田厚も追悼していた

工藤 大仁田さんが今の団体(FMW―E)を築いてからはなかなか連絡を取る機会がない中で、本当にありがたかった。今は違う団体で仕事をしていますが、同じ時期に同じリングで戦えた者として特別な思いがある。それを大仁田さんがくんでくださったと思う。また大日本プロレスさん、フリーダムさんからもお言葉をいただいて本当に感謝しています。

――ここ数年の非道さんはどんな様子だった

工藤 本当に(体調が)悪くなったのはここ2、3年でした。でも今年に入ってからは復帰の話もあるくらいトレーニングができるようになった。ずっと治療というわけではなく、体調の波があって本人は(復帰を)諦めていなかったです。だから急激に悪くなるとは私も本人もびっくりしていました。

――非道さんの復帰を支持していた

工藤 心配の思いのほうが大きかったですが、やっぱり目標ができるとモチベーションも気持ちも上がると思った。練習もやりがいがあると言っていた。そういう気持ちになれた夫を私は反対もせず、かといって応援をするということもなく見守っていました。人は目標があれば前に進めると思ったから。

――病気が悪化した時の様子は

工藤 本当に弱音を吐かなかった。病気が悪化した時にお医者さまが「家族に連絡を」と言った時も「迷惑をかけたくない」と拒んだそうです。どんな時も私を第一に考えてくれていたんです。病気のことも治療のことも周りに出すことなく本当に一人で戦っていて…。でも、言ってほしかったな。

――天国の非道さんにどんな言葉を

工藤 本当は優しく、常に私の味方だった。優しいデスマッチファイターでした。

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