明治安田J3第25節は30日、2試合があり、カターレ富山はホームの県総合運動公園陸上競技場でYS横浜に0-1で敗れ、2連敗となった。通算成績は12勝5分け6敗で勝ち点は41のまま。J2に昇格できるのは上位2チームで、順位は岩手に追い抜かれ、3位から4位に後退した。
互いに決定機がなく、一進一退の攻防が続く中、富山は後半16分にカウンターから先取点を奪われた。
FW大野、高橋らを投入し攻勢を強め、FWマテウスがドリブルシュートを放つなど、何度もゴールに迫ったが、最後まで点を入れることができなかった。
次戦は、11月7日に岐阜県の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で6位の岐阜と戦う。
■残り5戦 昇格へ正念場 重く、痛すぎる黒星となった。J2昇格争いが大詰めを迎える中、カターレはここに来て今季初の連敗。試合も終始相手に主導権を握られる見せ場の少ない内容で、石崎信弘監督は「大変残念な負け」と険しい表情を崩さなかった。
ここ7戦負けなしと波に乗る相手の勢いに飲み込まれた。前線からのプレスをかわされ、手薄なワンボランチの脇や3バックの両側に空くスペースを狙われた。攻撃も、引いて守る相手に有効な攻め手を見いだせず、MF椎名は「攻守においてちぐはぐだった」。
前半戦は14試合でわずか2敗だったが、後半戦は9戦で4敗。確実に勝ち点を積み上げないといけない下位相手に完敗するなど、勝負強さが影を潜めている。今節も攻守で物足りなさが目立ち、主将のGK西部は「決勝戦と思って戦わないといけない試合なのに、最後まで士気を上げられなかった」と悔やんだ。
今季はあと5戦。勝ち点5差ある首位熊本や2差の2位宮崎など昇格を争う上位陣との直接対決を残しており、これに勝つことができればまだ挽回できる。西部は「昇格の可能性がなくなった訳ではない。根っこの部分から見つめ直し、チームを良い方向に持っていきたい」。悲願のJ2復帰へ正念場を迎えている。(南貴大)
■苦境での打開策重要/堤´sEYE
富山はここ数試合、後方からのロングボールを使って相手を押し込み、セットプレーなどで得点し、勝ち点を積み重ねてきた。
しかし今節の相手は、ロングパスを警戒し、守備時は5-3-2のシステムで低めに構えた。ブロックをつくってスペースを消し、富山の3バックとアンカーのMF末木を前におびき出してから激しくプレスを仕掛けた。
富山はパス回しが不安定で、何度もボールを失い、カウンターを受けた。失点も相手の狙い通りの形で奪われた。
負傷交代したDF柳下は長期離脱になりそうだし、警告累積で出場停止になる可能性が高い選手も数人いる。残り5戦は、自分たちの得意な展開に持ち込めない試合での打開策を見つけることと、交代で入った選手が出場時に力を発揮することが、重要なポイントになりそうだ。(元カターレ富山DF・堤健吾)
富山 0 - 1 YS横浜 0 (前半) 0 0 (後半) 1
▽得点 【横】61分 船橋 ▽交代 【富】14分 柳下→今瀬 65分 末木→大野 65分 吉平→高橋 77分 姫野→碓井 77分 音泉→田中 【横】81分 菊谷→河辺 88分 ンドカ→林 88分 宮内→花房 90+5分 佐藤→西山 ▽警告 【富】42分 マテウス 52分 戸根 77分 林堂 【横】37分 土館 63分 宗近
▽シュート 【富】7【横】6 ▽観衆 3205人
【富山】 GK 1 西部 洋平 DF 4 戸根 一誓 DF 19 柳下 大樹 DF 23 林堂 眞 MF 13 安藤 由翔 MF 16 末木 裕也 MF 17 姫野 宥弥 MF 20 音泉 翔眞 MF 22 椎名 伸志 FW 27 吉平 翼 FW 28 マテウス レイリア
控えメンバー GK 31 齋藤 和希 DF 5 今瀬 淳也 MF 50 田中 佑昌 MF 6 碓井 鉄平 MF 7 佐々木 陽次 FW 8 高橋 駿太 FW 9 大野 耀平
【YS横浜】 GK 1 佐川 亮介 DF 34 大城 蛍 DF 3 宗近 慧 DF 5 池ヶ谷 颯斗 DF 36 宮内 寛斗 MF 4 土館 賢人 MF 10 柳 雄太郎 MF 6 佐藤 祐太 MF 30 菊谷 篤資 FW 23 船橋 勇真 FW 11 ンドカ チャールス
控えメンバー GK 40 石井 僚 DF 2 花房 稔 DF 25 西山 峻太 MF 19 和田 幹大 MF 21 山本 凌太郎 FW 29 河辺 駿太郎 FW 39 林 友哉