50年目の節目 世界平和願い市民大行進 長崎から「発信続ける」

世界平和を祈り、平和公園を出発する子どもたち=長崎市松山町

 国連の軍縮週間(24~30日)に合わせ、原爆犠牲者を慰霊し世界平和を祈る「市民大行進」が30日、長崎市松山町一帯であった。1972年に始めて50年目の節目。参加した市民400人は平和の象徴ハト型の風船などを手に歩き、核兵器廃絶への決意を新たにした。
 市内の被爆者団体や自治会などでつくる「世界平和祈念行事実行委員会」(会長・田上富久市長)が主催。新型コロナウイルス感染対策で、参加者は小中高生や実行委員らに限った。
 平和公園であった出発式で田上市長は「世界がどんな核情勢でも、長崎市民は半世紀にわたり歩き続けた。世界平和の力になるとの思いを胸に、力強く歩こう」と呼び掛けた。
 全員で爆心地公園まで約1キロをパレード。長崎原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうし、風船500個を一斉に空に放った。最後に市立緑が丘中の生徒3人が「未来のために考え、学び、対話し、平和を発信し続ける」と宣言。読み上げと出発式の司会を務めた同校3年の川口涼さん(15)は取材に「平和都市に生まれたので、今まで被爆者に聞いた話などを大人になっても伝え続けたい」と語った。

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