【全日本大学女子駅伝】名城大が5連覇 強さの秘密は主将の覚悟とチーム力

これが絶対女王の強さだ――。全日本大学女子駅伝(弘進ゴムアスリートパーク仙台発~仙台市役所前着、6区間38・1キロ)が31日に行われ、名城大が2時間2分59秒(速報値)で優勝。2011~15年の立命館大以来、史上2校目の5連覇を達成した。
「この1年、日本一の主将になるって思いでやってきた」。主将・和田有菜(4年)は不退転の覚悟でチームをまとめ上げた。

和田が入学した時点で名城大は「勝って当たり前」のチームだった。米田勝朗監督が「プレッシャーがなかったと言えばウソになる」と話していたように、常に絶対女王としての重圧と戦う日々。毎年頂点に立っても、和田は「3年間本当に納得がいかず、チームは優勝したけど、もどかしい気持ちがあった」。勝利を宿命づけられているからこそ、高いレベルを追い続けた。

主将の思いは、チームメートにも届いた。自らの持つ区間記録を更新した2区の高松智美ムセンビ(4年)は「主将・和田(有菜、4年)の思いや22人全員の思いを込めたタスキを一番持ってくることができてうれしい」と振り返れば、4区で区間新記録に輝いた谷本七星(1年)も「みんなの思いが詰まったタスキなので、みんなの1秒だと思って最後削り出した」と神妙に語った。

終わってみれば、6区間中5区間で名城大の選手が区間賞を奪取。3区間で区間記録を塗り替え、まさに最強チームにふさわしいパフォーマンスを見せた。

しかし、早くも名城大の指揮官、選手らはさらなる高みを見据えている。

史上初の6連覇に向け、米田監督は「学生たちもそれを目標にやってきている。また来年も強い選手たちも入ってくる。この地でまたしっかり結果を出して、歴史に名を刻みたい」ときっぱり。1区区間賞の山本有真(3年)も「今日で来年の6連覇に向けた一歩を進めたので、来年私たちが最上級生になったときに、今年よりもいいレースができるように頑張っていきたい」と闘志を燃やす。

先輩から後輩へ、絶対女王のスピリッツは受け継がれていく。

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