ソフトバンク・藤本新監督が〝初カミナリ〟「一軍に上がるという気持ちでやってもらわないと」

ソフトバンクの藤本監督(東スポWeb)

ソフトバンクの藤本博史監督(57)が31日、就任後の〝初カミナリ〟を落とした。現在、今季務めた二軍監督としての総仕上げでフェニックスリーグを指揮。この日は西武に1―13で敗れた。

言葉に熱を帯びた。試合後、厳しい声を向けたのは今季育成から支配下に昇格した渡辺陸捕手(21)だった。グラウンド上のミーティングで「陸、尾形どうやった?」と第一声。8回に3番手として登板した尾形は1イニングで5失点と打ち込まれた。「なんであんなに気持ちよくバットを振られるの。球が来てなかった? はっきり言ってくれ」

そして「お前、扇の要やで? 何がいいか悪いか分からなかったら捕手はできない。ストレートが走ってなかったら緩急つけていこうとか、そういうのがリードじゃないの。支配下になったんやろ。一軍でやりたい気持ちあるんやろ。そのへんを考えないと」。低く重みのある声で続けた。

期待しているからこそだ。チームの捕手事情は甲斐が全試合出場を果たした一方で、バックアップを務めてきたベテラン・高谷が今季限りで引退。2番手を担う捕手の台頭が急務となっている。当然、打撃力が持ち味で急成長中の渡辺陸も大きなチャンスとなる。

藤本監督は「厳しめに言ったけどね。期待が大きいだけにね。何とか一軍に上がるという気持ちでやってもらわないと。やることはたくさんある」。渡辺陸も指揮官の思いをくみ取り、愛のムチに応えるべく「チャンスをつかめるようにしないといけないと思ってます」と奮起を誓った。

選手に寄り添う指導が持ち味の鷹の新指揮官。「秋のキャンプは今日課題できた人は厳しく行きましょう」とニッコリ。温かくも厳しく若手を鍛え上げるつもりだ。

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