【衆院選2021】神奈川県内の小選挙区 自民11議席、立民7議席

 31日投開票された衆院選は、神奈川県内18選挙区のうち自民党は11議席を獲得したものの、前回2017年衆院選の13議席から後退した。野党は候補者の一本化を進めた「野党共闘」が功を奏し、野党第1党の立憲民主党が自民前職に競り勝つなどして7議席を固めた。政権批判票の受け皿として支持を集めた格好だ。

 18選挙区に51人が立候補。与野党一騎打ちの構図となった選挙区を中心に接戦にもつれ込み、党幹部や閣僚経験者も厳しい結果を突き付けられた。13区は、12回の当選を数える自民前職の甘利明幹事長が立民新人の太栄志氏にまさかの敗北。幹事長就任によって再燃した過去の自身の金銭授受問題が響いたとみられる。

 1区では銀座クラブ問題で自民を離党して無所属で挑んだ松本純元国家公安委員長が立民前職の篠原豪氏に敗れた。

 自民は1区を除く17選挙区に擁立。高い知名度を誇る菅義偉前首相(2区)や河野太郎党広報本部長(15区)、小泉進次郎前環境相(11区)らが開票序盤で当選を決めた。岸田文雄内閣で初入閣した牧島かれんデジタル相(17区)、山際大志郎経済再生相(18区)も議席を守った。3区は参院議員からくら替え出馬した中西健治前財務副大臣が初当選を勝ち取った。6区では、自公連立の象徴区に25年ぶりの自民公認として出馬した新人の古川直季氏が立民前職に競り勝った。

 15人を擁立した立民は躍進した。江田憲司代表代行(8区)や阿部知子県連代表(12区)らが当選。早稲田夕季氏(4区)が保守分裂の三つどもえを制して再選したほか、後藤祐一氏(16区)が自民前職から議席を奪還して雪辱を果たした。

 共産党は「必勝区」と位置付けた10区で畑野君枝氏が前回に続いて敗北。日本維新の会や国民民主党、社民党、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」も小選挙区での議席獲得はならなかった。

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