<金口木舌> 各地の泡盛を楽しむ

 一喜一憂しないでおこうと思っていても、やはり一桁はうれしい。新型コロナウイルスの新規陽性者数が1日に何百人にも達し、戦々恐々としていたのがだいぶ昔のことのようだ

▼玉城デニー知事は11月を「リバウンド防止と社会経済活動の両立期間」と設定する。約半年間にわたった飲食店などへの時短営業要請はようやく終わり、国の飲食業界支援策「Go To イート」食事券の飲食店利用が再開される

▼久々に職場の上司や後輩、友人らと会食に出掛ける人が今日から増えそうだが、リバウンド防止を忘れてはいけない。「4人以下」「2時間以内」の呼び掛けは続く。まだ油断はできない

▼会食での楽しみは泡盛だろうか。600年以上の歴史を持ち、日本最古の蒸留酒と言われる泡盛は種類の多さでも知られる。東南アジア諸国に源流のある蒸留酒が独自の進化・発展を遂げ、現在は狭い沖縄に47の酒造所が点在する

▼酒を飲む機会は増えるだろうが、職場の飲み会が苦手な人は憂うつかもしれない。山形県鶴岡市が新規感染者数が減少したことを受け、これまでの会食・会合の自粛を転換し、市職員に積極的に参加を呼びかける文書を発表したが、「半ば強制でパワハラではないか」との批判も上がった

▼11月1日は「泡盛の日」。大人数で騒ぐ会食はもう少し我慢し、しばらくは各地域の泡盛を気心の知れた仲間同士で楽しんでみてもいい。

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