選抜総選挙で人生が激変した〝シンデレラガール〟NGT荻野由佳の栄光と苦悩

荻野由佳は先月30日の卒業コンサートに後輩への思いを込めた(C)Flora

先月30日に卒業コンサートを行ったアイドルグループ「NGT48」の荻野由佳(22)が、8日の劇場公演をもってグループを離れる。AKB48選抜総選挙で大躍進を遂げ「シンデレラガール」と呼ばれた荻野。重圧と戦い、バッシングに耐えながらグループのために尽くす姿があった――。

「私をアイドルにしてくれてありがとう」というタイトルが添えられた卒業コンサートは、グループの全メンバー28人が出演した。

荻野はAKB48のオーディションに5度落選しながらも、アイドルになる夢を諦めなかったことで知られる。

2015年の「第2回AKB48グループドラフト会議」に参加し、同年に新潟を拠点に立ち上がった姉妹グループ・NGT48から指名され、ついに夢をつかんだ。

卒業スピーチで、荻野は「約6年半、ずっと夢見ていたアイドルの生活ができて、ほんとにほんとに楽しくて幸せな時間でした。皆さんには本当に心の底から感謝しています」と話した。

自身について本紙に「まったく無名で芋アイドルだった」と振り返ったこともあるが、そんな人生を激変させたのは「選抜総選挙」だ。

ファン投票で人気順位を決め、ゴールデンタイムにキー局で生中継されていた一大イベント。荻野は17年の総選挙で、前年圏外(95位)から速報順位で指原莉乃らを抑え1位に大躍進。最終も5位で初めて「神7」入りし、世間を驚かせた。

翌18年の第10回総選挙でも速報1位(最終4位)に。AKB48グループ中心メンバーとして活躍する姿は「シンデレラガール」とも呼ばれた。

それでも、その総選挙が苦しめることになる。

これまで類を見ない躍進ぶりに「不正だ」などとネット上で心ないバッシングにさらされた。荻野自身は本紙に「応援してくださるファンの方が一生懸命ずっと頑張って、私を(総選挙で)押し上げてくださっているという感覚があったので、そう言われてしまうことは悔しかった」と回顧したが、「でも、そう思われるのも当たり前。認めてもらえるように活動を頑張ろうと思った」と毎日、泣きながら先輩たちに必死に食らいついたという。

グループを代表するメンバーに成長した荻野。だからこそ、19年にメンバーの自宅に男性ファンが押しかける被害に起因した騒動が起きた際、批判の矢面に立つことになった。

「心を病んでしまい、殻に閉じこもっていた時期もある。それでも今は立ち直り、卒業後について『来るもの拒まず、何でも挑戦したい!』と前向きになっている。自身の卒業コンサートも『これからのグループのために』と、後輩たちを目立たせるようなセットリストを必死に考えていた」(芸能関係者)

今月8日に行われる新潟市内のNGT48劇場での卒業公演をもって、グループとしての活動を終える。

「100点よりも100%」と常に全力でぶつかり「何があってもへこたれない!」と走り続けてきた荻野。卒業後も幾多の経験を糧に活躍しそうだ。

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