衆院選長崎 自民3、国民1議席 1区 西岡氏 2区 加藤氏 3区 谷川氏 4区 北村氏

 前職4人、新人9人の計13人が立候補した県内4小選挙区のうち、長崎4区は大接戦の末、閣僚経験者の自民前職が立憲民主新人を破り8選を果たした。注目の与野党対決となった1区は国民民主前職が安倍晋三元首相の秘書だった自民新人らを退け再選。2区と3区は自民が2012年以来4期連続で確保した。3区と4区の立民新人は比例代表で復活当選した。
 4区は、地方創生担当相時の不安定な国会答弁などで批判を浴びた北村誠吾氏(自民前)が、公示直前まで公認を得られず苦戦。舌禍に対する有権者の不信は根強かったが、国会議員、首長、県市議らが組織戦で必死に巻き返し、薄氷の勝利を収めた。野党共闘で挑んだ末次精一氏(立民新)は敵失に乗じて無党派層も取り込み、比例復活で初当選した。萩原活(ひろし)氏(無新)と田中隆治氏(同)は広がりを欠いた。
 1区は、西岡秀子氏(国民前)が強固な後援会と労組の支援で終始リードを保ち再選。公示後3回来崎した玉木雄一郎党代表が、対抗の初村滝一郎氏(自民新)が秘書として仕えた安倍晋三元首相を引き合いに対決構図を演出したことも、一定奏功したとみられる。初村氏は首相官邸での経験や中央省庁とのパイプを強調したが、初陣を飾れなかった。安江綾子氏(共産新)は浸透できなかった。
 3区は、実績を強調した谷川弥一氏(自民前)が高齢批判をはね返し7選。世代交代を訴えた山田勝彦氏(立民新)は労組の支援や草の根選挙で善戦し、比例復活を果たした。「どぶ板」で準備をしてきた山田博司氏(無新)は伸びず、石本啓之氏(諸新)は埋没した。
 2区は、父の地盤を継いだ加藤竜祥氏(自民新)が世襲批判を浴びながらも初当選。松平浩一氏(立民前)は一歩及ばなかった。

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