衆院選 末次さん 比例で初当選

比例復活を果たし花束の祝福を受ける末次さん(右)=1日午前2時14分、佐世保市俵町の選挙事務所

 望み続けた議席をようやく手にした。衆院選5回目の挑戦で初の国政進出を決めた立憲民主新人の末次精一さん(58)。小選挙区では敗れたが、「草の根」で広げた支持に後押しされて比例復活。支援者に囲まれ末次さんは「中小企業の振興に力を入れていきたい」と語った。
 終盤まで勝敗の行方が見えない大接戦。未明に飛び込んだ吉報に、長崎県佐世保市俵町の事務所に集まった支援者は歓喜の声を上げた。
 国政挑戦のため県議を辞職し9年。この間、国政に挑んだ数だけ涙を飲んできた。それでも諦めなかったのは「政治は暮らしを良くするためにあるべきだ」との思いがあったから。「現実とのギャップを縮めたい」と初心を貫いた。
 4区では最も早い2019年に出馬表明。野党代表として挑む態勢が整い「最大最後のチャンス」と位置付けて戦った。自民の分厚い組織力に草の根運動で対抗した。足の豆がつぶれた痛みに耐えながらスタッフらと練り歩き「政策の光が皆さんに当たるような政治に変えたい」と支持の輪を広げた。「応援しています」。日に日に大きくなる有権者の声。大臣時代の失言などに対する自民候補への批判もあり、これまでにない手応えを得た。
 19日の出陣式で「31日は皆さんと喜びを分かち合いたい」と誓い、声をからして訴え、駆け抜けた。その言葉が現実になり、末次さんは「支えていただいた皆さんのおかげです」と深々と頭を下げた。

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