駅エスカレーターの盗撮犯 腕つかんだのは…元警察署長だった

盗撮犯の検挙に貢献し、感謝状を受け取る久篠知二さん(右)=加賀町署

 盗撮犯の摘発に貢献したとして、神奈川県警加賀町署は10月29日、県警OBの久篠知二さん(62)に感謝状を贈った。

 署によると、事件は13日午後2時ごろ、横浜市中区のみなとみらい線元町・中華街駅で発生。久篠さんはエスカレーターを利用中、前方で男が女性のスカート内にスマートフォンを向けているのを発見。即座に男に駆け寄り、腕をつかんで「盗撮をしていただろ」と指摘した。近くにいた駅員に事情を伝え、通報で駆け付けた署員に男を引き渡した。

 署の捜査で、男のスマートフォンからは女性を写した動画が見つかった。男は40代の会社員で、署は近く県迷惑行為防止条例違反容疑で書類送検する方針。

 久篠さんは、藤沢北署副署長や逗子署長などを歴任し、昨春に県警を退職した。上原正署長から感謝状を受け取り「盗撮の証拠を消されないようにとっさに腕をつかんだ。女性を狙った卑劣な犯罪を許すわけにはいかない」と力を込めた。

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