ソフトバンク王会長の熱い6分間訓示に和田「今にもユニホームを着そうな…」

ソフトバンク・王貞治会長(東スポWeb)

Bクラスに転落した常勝軍団ソフトバンクがリーグV、日本一奪回へスタートを切った。1日、ペイペイドームでの全体練習を前に、王貞治球団会長(81)が6分間に及ぶ訓示で巻き返しへの大号令をかけた。

くしくも1並びの11月1日、円陣の中央に立ち、張りのある声で語り掛けた。「今回はクライマックスにも出れないという結果になったけど、勝負の世界は良いことも悪いこともある。4年間いい思いをした分、天国から地獄という気持ちかもしれないが、結果に対していつまでもグジグジ言っても仕方がない。結果は受け止めて、また新たなスタートを切ろう」

先月29日に、肩書に「特別チームアドバイザー」が加わった王会長。「気楽に話しかけてほしい。分からないことがあれば、自分のためだと思って積極的に聞いてくれ」。これまで以上に選手や首脳陣と積極的にコミュニケーションを取ることで巻き返しを後押しする。

勝ち続けてきたゆえに誰よりも敗北の悔しさを知る男は、前向きにナインにメッセージを送り、この秋からの奮起を促した。「みんなはそれぞれ個人の結果に対して責任を持っている。これからの秋、おのおのの課題を踏まえて、次どうするんだということを、この1年を振り返りながら練習に取り組んでほしい。来年はこうするんだという気持ちを持ってコツコツと。すぐできるようになることはないんだから。今年負けたことは、我々に気づきを与えてくれる。そういう風に受け取ろう。我々は常にいい変化をしなくてはいけない。ここに止まっていられないんだよ。常に自らの最高のものを求めていこう」。

監督時代から王会長を知る和田が「今にもユニホームを着そうな、さらに生き生きとした目で語られていた。背筋が伸びた気持ち。来季、会長に褒めてもらえるように頑張ります」というほどの強烈なメッセージ。「会長の意思を選手全員が共有する。それがホークスの野球」(和田)。Bクラスからの巻き返しは並大抵のことではない。1年後の歓喜へ〝王スイッチ〟が入った。

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