【衆院選2021】「支持」と答えても投票は… 伸び悩み野党、見えた課題

 第49回衆院選で当初、躍進が予想された野党第1党の立憲民主党は伸び悩んだ。神奈川県内18小選挙区も例外ではなく、対する自民党は2017年の前回から2減ながら11議席を獲得し過半数を維持した。出口調査に照らすと「投票所まで行ってくれる支持者を増やすことが勝利への近道」という当たり前の課題が見えてきた。

 「報道各社の情勢調査がこれほど食い違ったことはない」。与野党の選挙対策関係者が口をそろえた選挙戦だった。神奈川新聞社などが「与党優勢」を伝える一方、「自民単独過半数は微妙」などと真逆の見通しを報じる全国紙もあった。

 傾向の差を生じさせた理由の一つが、支持する候補者や政党の聞き方だ。神奈川新聞社などは選挙の当落重視の観点から「投票する候補・政党」を問うた。一方、選挙期間のみにとらわれず総合的な傾向を調べようとする社は、いつ問われても違和感が少ない「支持する候補・政党は」と聞いた。

 各党の選対関係者の見方を総合すると「投票より支持のほうがハードルが低く答えやすく、政党支持なし(無党派)層などの支持数値が高く出る」と推測。だが「支持と答えても必ずしも投票に出向かない」(与党のベテラン職員)という。

© 株式会社神奈川新聞社