得票数取り違え、投票者数間違い…開票作業ミス相次ぐ 長崎県選管「注意喚起する」

投票用紙を箱から取り出し、候補者の得票数を再度確認する職員=1日午前0時49分、対馬市シャインドームみね

 衆院選の長崎県内2市の開票所と県選管で、ミスなどが相次いだ。得票数を取り違えて発表したり、投票者数を間違えたりしたほか、マスコミ向けの速報用メール送信に不具合が生じた。
 対馬市選管は立民新人の山田勝彦氏と無所属新人の山田博司氏の得票数を逆に発表した。職員が表計算ソフトに得票数を打ち込んだときに勝彦氏の5299.407票と博司氏の3308.592票が入れ替わって表示されたのに気付かず、31日午後10時40分ごろ誤った開票結果を発表。県選管と立会人から、取り違えの可能性があることを指摘され、投票用紙を再び確認しミスが発覚した。
 表計算ソフトの設定の誤りを見落としていたことや、各候補の実際の投票用紙数と開票結果を照合するなどの確認が不足していたのが原因として、市選管は「今後は複数人での確認を重ねる」としている。県選管が長崎3区全体の得票数を計算する前にミスに気付いたため、3区の最終開票結果に影響はなかった。
 佐世保市の開票所では1日午前1時すぎ、長崎4区の投票者数を332人多く数えるミスが判明。佐世保市選管によると、職員が黒島と高島の2カ所の投票者数を表計算ソフトに入力する際、どちらも誤って当日有権者数を入力していた。投票者数と開票状況の結果にずれが生じたため、投票者数を改めて確認する事態に。この影響で小選挙区の確定発表は予定より約1時間遅れ午前1時55分になった。市選管は「入力した後、読み合わせをすべきだった」としている。
 県選管では、小選挙区開票状況の速報などマスコミ各社へ送るメールが遅延する不具合が生じた。31日午後9時から10時過ぎにかけ急激にメール送信件数が増加し、メールサーバーが一度に処理可能な量を超えたのが原因。
 県選管によると、午後11時ごろから「メールが来ない」と各社から連絡があった。その後、速報結果を県ホームページで公表した。
 県選管は対馬、佐世保の2市のトラブルについて「得票数の取り違えは絶対あってはならないこと。選挙前に市町選管に対して実施する会議で今後、注意喚起していく」としている。

© 株式会社長崎新聞社