シボレー、2022年NASCARトラック・シリーズ投入の新型『シルバラードRST』を初披露

 2022年には、より市販車のボディ形状に近づけるためのアップデート規定が導入されるNASCAR Camping World Truck Series(NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ)に向け、すでに新型モデルのデザインを公開済みのフォード、トヨタに続き、最後の1台となっていたシボレーが2022年型『シルバラードRST』を初披露。新型『フォードF-150』そして新型『トヨタ・タンドラTRD Pro』とともに、2月のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイより新シーズンに投入されることが正式発表された。

 10月29日付でGM(ゼネラルモータース)がアナウンスしたリリースとともに、初公開された1枚のレンダリング画像では、新たなフロントマスクを備えた新型『シルバラードRST』が描かれ「生産車の2022年型モデルの全トリムに採用される新しいフロントバンパーとグリルを備え、低く、広く構えたスタンスでトラックの安定性と強度を強調した」と記された。

 2021年9月23日にNASCARの運営団体より発表された新規定では、ノーズとテールを刷新して量産モデルのトラックとさらにデザインを適合させると同時に、フロントフェイシアからAピラーにかけて「ブランド独自のアイデンティティを追加することを許可する」とされた。

「栄光の『シルバラード』の名は、レーストラック内外で伝説的なパフォーマンスを発揮することを意味し、RSTはその機能の完璧な例でもある」と語るのは、同車のマーケティングマネージャーを務めるマーク・ソブチンスキー。

「標準の13.4インチの対角タッチスクリーンを備えた再設計されたインテリア、リフレッシュされたエクステリア、4つの異なるエンジンオプションなどの大幅な機能強化により、シボレーファンはレーストラックにいるか地元のディーラーにいるかに関係なく、より多くのテクノロジー、よりプレミアムなタッチを備えた、この『シルバラードRST』を体験できるんだ!」

2021年モデルの『シボレー・シルバラード』に対し、わずかにフロントマスクを修正。ボディには複合材を採用する
各カテゴリーに参戦する“Team Chevy”としては、これで最新世代への移行が一段落する形となった

■新型マシンの開発作業を続けるフォード陣営

 一方、シボレーのモータースポーツ・プログラムマネージャーであるデイン・ピエラントーニも「我々は1995年のNASCARトラック・シリーズ参戦開始以来、このシルバラードとともにレースを戦ってきたんだ」と、その系譜に触れつつ新型モデルにも高い期待を寄せている。

「我々は現在のレーストラックの機能を強化し、生産車との緊密な連携を継続するため懸命に取り組んできた。来季のNASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズで2022年型『シルバラードRST』がトラックデビューを飾る瞬間を、今から本当に心待ちにしている」

 その『シルバラード』の名称は、フォードやトヨタを上回る通算256の勝利を挙げており、10回のマニュファクチャラーチャンピオンシップを獲得。そして昨季のシェルドン・クリードを含め、14名のドライバーズチャンピオンを誕生させてきた。

 一方、規定発表の同日にも2022年型『フォードF-150』を公開していたフォードは、従来までの鋼板ではなく複合材に置き換えられた新設計のボンネットフードとテールエリアを持つトラックの開発作業を進めており、プロモーションビデオ内で走行シーンを披露した開発ドライバーのヘイリー・ディーガンも、来季より「NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズで私たちのF-150の外観を一新できるのは素晴らしいこと」だと抱負を語った。

「新型モデルの初公開以降、ミシガン州ディアボーンにあるフォードのデザインセンターと、ノースカロライナ州コンコードにあるフォード・パフォーマンス・テクニカルセンターでは、引き続き綿密な開発作業が続けられている」と語った現在20歳の新鋭ディーガン。

「アグレッシブなノーズとそのほかのスタイリング変更は、F-150のロードゴーイング版を忠実に反映していて、その過程では新規定による来季のエアロダイナミクスなどいくつかの領域での性能改善に繋がった。2022年2月18日のデイトナでステアリングを握るのが待ち遠しいわ!」

同じく2022年規定を採用した新型『フォードF-150』は、規定発表同日にSNS上で公開された
2020年のスポット参戦を経て、今季がNASCAR本格デビューイヤーとなるヘイリー・ディーガン

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