【陸上】ケニアで女性蔑視を批判する運動が活発化 夫によるティロップさんの殺害で

東京五輪で活躍を見せたティロップさん(ロイター)

東京五輪陸上女子5000メートルで4位に入ったアグネス・ティロップさんが自宅で刺殺体で発見され、夫が殺人容疑で逮捕された事件を受け、ケニア国内では女性蔑視を批判する運動が相次いでいる。

家父長制が根強く残る東アフリカでは、男性が女性に暴力を振るうケースが多いと言われており、ケニア政府は「15歳から49歳までのすべてのケニア人の45%が身体的暴力を経験している」とのデータを公表している。

そんな中、ドイツ紙「南ドイツ新聞」は、ケニアの女性団体「フィダ・ケニア」の議長であるナンシー・イキヌ氏が「ケニアでの女性に対する暴力事件が最近再び増加したと発表した。彼女は、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領に事件を受けて、同様の犯罪を国家緊急事態として分類するよう求めた」と報道。女性への暴力事件の厳罰化を求めた。

また同紙によると、ティロップさんが故郷に埋葬される前日には、数百人のアスリートのグループが運動を起こし、ポスターに「女性への暴力はやめろ!」と記したという。

ケニアだけでなく、全世界で問題となっている女性への暴力。平和な世の中はいつになったら訪れるのか。

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