2022年のF1は6戦でスプリント予選を実施か。獲得ポイントの増加や、ポールポジションの決定方法を議論中

 2022年シーズンのF1は、スプリント予選レースが行われる週末を増やすことが確実視されている。これにより土曜日のスプリント予選において、ドライバーたちにさらに多くのポイントが付与される可能性がある。

 F1は今月半ばの第19戦ブラジルGPで、今年3回目にして最後のスプリント予選レースを行う。その後F1上層部がFIAとともに3レースでの実験を評価し、2022年の開催方針を決定することになる。

 しかしながら、これまでチームとドライバーからF1に寄せられた肯定的なフィードバックと主催者からの高い需要に基づいて、来シーズンもこの新コンセプトが採用されることはほぼ確実であり、まだ会場は選ばれていないものの、スプリントレースが3レースから6レースへ増やされる可能性は高い。

2021年F1第14戦イタリアGPスプリント予選 スタートシーン

「来年6回のスプリント予選レース開催を検討することについて、原則的にチームから合意を得られている」とF1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、月曜日にメディアに語った。

「それまでに整理すべきことは非常に多くある。我々は、来年には急進的ではなく漸進的に進んでいくべきだという見解を持っている。これについてはマシンが新しくなるということも一因だ。登場する新マシンに誰もが慣れる必要がある」

「マシンの影響を見なければならない。そのため、2022年に向けて我々は比較的保守的かつ漸進的な姿勢でいる」

「だが我々はこのコンセプトについて前向きだ。また、3レースを通じてどのように機能するかを見るために、F1が新たなコンセプトを試すことに物怖じしなかったことを非常にうれしく思う」

■スプリント予選における獲得ポイントの増加を検討

 スプリント予選形式については、上位3名のみにポイントを付与する現在のポイントシステムなどについて、いくつかの変更が検討されているところだ。しかしブラウンは、F1にとって変革のシーズンと見込まれる2022年に向けては、細分化したステップと段階的な変更だけが取られると主張している。

「土曜日をいかにもう少しチャレンジングに、魅力的にできるかということについて、我々がチームと議論していることは間違いない」

「新マシンは互いに競い合う能力があることから、それが助けになるだろうと私は非常に楽観視している。また議論には、土曜日の褒賞をどのように拡大できるかということも含まれている。そうすればポイントの観点から、土曜日にレースをすることへの動機がはるかに高まる」

2021年F1第14戦イタリアGPスプリント予選 セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)&ランス・ストロール(アストンマーティン)

「リバースグリッドなどを考えており、私は本当のところかなり前向きだ。だがそれはおそらく性急すぎるだろうと考えている」

「議論に上がっていることはいくつかある。金曜日のポールポジションだ。金曜日にポールポジションが与えられないのは明らかに魅力のないことだ。そのことが議題に上がっている」

「(スプリント予選レースの)イベントの名称だが、我々はレースの体裁を取っているものならすべてレースと呼んでいる。このイベント名称も我々が整理したいことだ」

「そしておそらくは土曜日にポイントを付与することで、ドライバーがレースをするにあたってより挑戦的で魅力的なものになるだろう」

2021年F1第10戦イギリスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 チャンピオンシップのために、スプリントレースで付与されるポイントは増える見込みだが、それだけではなく通常のレースのように上位10名にまで対象を拡大する可能性がある。

「個人的には、スプリントレースでは通常レースの3分の1程度のポイントを与えることを提案した」

「それが当初の提案だったが、受け入れられなかった。なぜならポイントを付与する前に、まずスプリントレースがどのように機能するか見る必要があると感じられたからだ。そのためこのことが議論の出発点になるだろうと考えている」

「十分に目指す価値があるほど重要なものだし、下位のドライバーもそのレベルを賭けて戦いたいと思うだろう。だがチャンピオンシップに過度の影響を与えるポイント数ではない」

「チャンピオンシップに影響は出るだろうが、そうなるべきだし、それが我々が望んでいることだ。だが過度の影響であってはならない」

2021年F1第10戦イギリスGP スプリント予選トップ3のビクトリーラップ

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