ライフラインの代替を点検 プロジェクトチームが会議

 和歌山県や国、市町村、民間事業者などは2日、県内の全てのライフラインについて、災害時に備えた対応ができているかを点検するための「第1回プロジェクトチーム会議」を県庁で開いた。水道の代替施設や、緊急輸送道路の代替道路があるか、その耐震性が確保できているかなどを調べることを打ち合わせた。

 10月3日、和歌山市の水管橋が崩落し、約1週間、市内の広い範囲で断水が発生した事故を受けた対応。

 チームのメンバーは県と近畿地方整備局、市町村(田辺市や和歌山市など代表として5市町)、高速道路、電力、ガス、鉄道、通信の各事業者や放送局などで、会議にはオンラインを含めて約60人が出席した。

 点検対象は道路、河川、水道、下水道、ため池、電気、ガス、公共交通、通信網など11のライフラインで、それらの点検項目を確認した。

 例えば、道路については、防災拠点と高速道路入り口までの緊急輸送道路が寸断し、代替道路に回り道した場合、距離や時間がどの程度長くなるかなどについて、4段階で評価する。

 また、孤立集落への道路が複数あるか、水道の浄水場や配水本管、取水施設などに代替施設があるか、代替施設のカバー率はどの程度かなども調査。他のライフラインについても地震や津波、洪水、高潮などの被害の恐れはないかなどをみる。

 プロジェクトリーダーを務める県の細川一也危機管理監は「(和歌山市の断水では)水管橋が1本しかないことが、代替性の観点から大きな問題となった。この事案を契機とし、いま一度、県内のライフラインの点検をすることにした。国や県、市町村、民間事業者が連携した点検は、全国で初めての試みで、他府県からも注目されている。意義のある点検を進めたい」と話した。

 この会議を踏まえ、県は4日に30市町村に対し、点検を依頼。民間事業者などを含め、11月中に点検を実施し、その後、再度プロジェクトチーム会議を開く。

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