ベチバーで赤土流出防止!1100本を植えグリーンベルトに 沖縄SDGsプロジェクト

 SDGs推進へ取り組むOKINAWA SDGsプロジェクト(OSP、事務局・琉球新報社、うむさんラボ)は10月30日、赤土流出を防止するグリーンベルトの植栽を会員企業や学生と行った。NPO法人おきなわグリーンネットワークと共催し、糸満市の畑2カ所でイネ科植物ベチバーの苗約1100本を植え付けた。

 海に流出する赤土の約8割は農地から流れ出る。畑の表土を敷き草で覆う、畑地をグリーンベルトで囲むといった防止方法があるが、資金や人手が不足し、農家だけで担うのは困難だ。OSPでは昨年、この問題を学び、自分たちにできることについて動き出そうと企画した。

 当日はおきなわグリーンネットワーク理事長の西原隆さんから赤土流出の仕組みや影響を学んだ後、糸満市内のカボチャ畑に移動。本部町の福祉施設で育てたベチバーの苗を畑の周囲に植え付けた。

 1000本余りの苗を15センチほどの間隔で細かく植え付けていく作業は、約30人で手分けすると実質1時間で作業は終わった。「農家にとっては重労働。これからも協力したいし、農作業の省力化が重要」と琉球大3年の上原望笑(のえ)さん。農林中央金庫那覇支店の平田孝祐さんは「植え付け後をまた見に来たい」と話した。

 カボチャ畑を耕す新城安純さん(61)はここ数年、雨で表土が流され、500坪ほどの畑にダンプカー14台分もの土を入れたという。「ベチバーを植えると土が流れず、切って敷き草にもできて上等。自分一人でこれだけ植えるには1日では足りない。本当に助かった」と喜んだ。

© 株式会社琉球新報社