財政難のバルセロナ 新スポンサーにイスラエルの暗号資産企業が浮上して大波紋

モシェ・ホゲグ氏(ロイター)

スペイン1部バルセロナが深刻な財政難を打開するため、新たな主要スポンサーにイスラエルの暗号資産企業を迎えるプランを検討しており、大きな波紋を呼んでいる。

バルセロナは財政事情が極めて深刻で破産危機も取りざたされているが、救世主として名乗りを上げた企業がにわかに注目を集める。

スペインメディア「ミオトラリーガ」は「バルサに最近起きた論争が、メインスポンサーの喪失だ。楽天は契約が切れ、ナイキは何年もの間、正式な契約を失っている状態だ。しかしその状況に改善は見られない。したがって、ラポルタ会長はどこからでも資金調達を求めている」と指摘。そのうえで「トラブルに巻き込まれる可能性がある」と不安視した。

というのも、ラポルタ会長が新たな主要スポンサーとして迎える企業に一部で批判の声が上がっているからだ。

「会長は暗号資産企業に関心を持っている。イスラエルのビジネスマンでベイタルFCの社長であるモシェ・ホゲグは、ラポルタ会長や大物代理人のミノ・ライオラの親友であり、暗号資産を扱うIT企業などを経営している。ここは資金が増加している傾向にあるが、明らかに危険な因子がある」と同メディアは指摘した。

暗号資産業界で莫大な富を築いたホゲグ氏は欧州サッカー界への進出を画策し、まずはメインスポンサーとして世界屈指の名門に白羽の矢を立てた。しかし同氏の企業は〝いわくつき〟で「今年5月、元労働者のグループがホゲグの会社を非難し、彼らを『詐欺』と呼んだ。ホゲグは『金をゆすり取るための発明だ』としているが、コインデスク社による分析では、ラポルタ会長が頼りにしているホゲグの暗号資産企業には不規則性が明らかになっている」と企業の信用性を疑問視した。

世界的人気を誇るバルセロナが暗号資産企業とタッグを組むことになるのか。今後のトラブルも不安視される中、大きな注目が集まる。

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