世界野球ソフトボール連盟のインタビューに応じる
オリックスの山本由伸投手が、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のインタビューに応じ、金メダルを獲得した今夏の東京五輪での経験を振り返った。同連盟が公式Youtubeにアップした動画で、山本は勝ち切れた理由をチームの“結束力”にあるとし「どんどんいいチームになっていった」と充実の夏を語っている。
山本はドミニカとの開幕戦に先発し6回を被安打2本、9奪三振で無失点に抑えた。さらに韓国との準決勝では5回1/3を2失点。2試合の登板で防御率1.59という素晴らしい成績を収め、WBSCによるベストナイン右投手にも選ばれた。
「始まる前は、緊張やドキドキする感じが大きかった。終わってホッとした感じと、素晴らしい経験ができたと心から思いました。自国開催ということで、より貴重な、注目度の高い大会。特別な大会という認識でした。さらに福島で初戦をできた。東日本大震災から時間は経ちましたけど、試合をできたのには特別な思いがありました」
さらに金メダルへの大きな山場だったと振り返るのが、米国とのノックアウトステージ第1戦だ。日本は田中将大が先発し、点の取り合いとなった。5-6と1点を追う9回、柳田悠岐外野手の二ゴロの間に同点とし、延長10回に甲斐拓也捕手のサヨナラ打で勝利した。「この試合を勝ち切れるなら行けるぞと思いました」。地元開催というプレッシャーの中で、侍ジャパンが確信を掴んだ一戦だったようだ。
エースが務めた“記録係”雰囲気最高の侍ジャパン
米国との再戦となった決勝では登板がなく、メダルを決めた瞬間に山本が務めていたのはチームの“記録係”だ。カメラを手に「みんなが喜んでいる姿、感動して泣いている姿とかを映像に収めました。金メダルを『取ってしまった……』というような嬉しさが大きかったですね」と、喜びと安堵がないまぜになった感覚を覚えたようだ。
稲葉篤紀監督は代表メンバーの選考にあたって、チームが1つになれることを何より重視したという。山本も2019年のプレミア12から侍ジャパンの中に身を置き、チームの進化を感じてきた。
「(五輪は)プレミアの時とかなりメンバーは変わったんですが、凄くいいチームだった。雰囲気よく最初からできていた。期間が進むともっともっとチームの結束力がでてきて、どんどん素晴らしいチームになっていった感じがしましたね」
指揮官は自身の北京五輪での敗戦経験から「五輪の借りは五輪で返す」と言い続けた。一方で、選手がのびのびプレーできる環境づくりに心を砕いていた。その思いは、山本の胸にも届いていた。
「選手ファーストでやりやすい環境を作ってくださった。『監督のためにやるぞ』と、いいチームになったのもすべて監督のおかげです。僕はプレミア12と、2度稲葉さんに優勝を経験させてもらえたので、本当に感謝の気持ちを伝えたい」
金メダルの経験を経て、戻ったシーズンでもパ・リーグ“5冠”に輝きチームが優勝。もはや誰もが認める日本のエースとなった。
【動画】金メダルを獲得した侍ジャパンは「凄くいいチーム」山本由伸が自身の言葉で語る東京五輪
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(Full-Count編集部)