ジャイアンツの名捕手・ポージーが現役引退へ 明日正式発表の見込み

ワールドシリーズが終了した翌日、驚きのニュースが飛び込んできた。「ジ・アスレチック」でジャイアンツを担当するアンドリュー・バガーリー記者によると、名捕手バスター・ポージー(ジャイアンツ)が今季限りでの現役引退を決め、明日(日本時間11月5日)に正式発表する見込みだという。現時点では球団からもポージー自身からも引退に関するコメントは出ていないが、2010年代前半にジャイアンツを3度のワールドシリーズ制覇に導いた名捕手が今季限りでユニフォームを脱ぐことになりそうだ。

現在34歳のポージーは、新型コロナウイルスのパンデミックのなかで行われた2020年の短縮シーズンの出場を辞退し、今季2年ぶりに戦列復帰。適度な休養を与えられながらプレーしたことが功を奏し、113試合に出場して打率.304、18本塁打、56打点、OPS.889という好成績をマークした。ポージーの活躍もあり、ジャイアンツは球団史上最多となる107勝を記録してドジャースの地区9連覇を阻止。そのドジャースに地区シリーズで敗れたものの、ジャイアンツの大躍進は2021年シーズン最大のサプライズの1つだった。

ポージーは3年ぶりにオールスター・ゲームに選出され、シーズン終了後には選手間投票によるカムバック賞も受賞。今季が9年総額1億6700万ドルという大型契約のラストイヤーであり、来季の契約は球団側に選択権のあるオプション(年俸2200万ドル)となっていたが、オプション行使が有力視されるなか、現役引退という驚きの選択をした。引退の理由はまだ明らかになっておらず、明日の正式発表の際に詳細が語られるものとみられる。

2008年ドラフト1巡目(全体5位)指名でジャイアンツに入団したポージーは、2009年9月にメジャーデビュー。2010年に新人王、2012年にMVPを受賞するなど、瞬く間に球界を代表するスター捕手へと成長を遂げ、オールスター・ゲーム選出7度、シルバースラッガー賞4度、ゴールドグラブ賞1度、首位打者1度など輝かしいキャリアを過ごした。通算成績は1371試合に出場して打率.302、1500安打、158本塁打、729打点、OPS.831。「コリジョン・ルール」制定のきっかけとなった選手としても知られている。

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