日本の棚田百選にも選ばれた長崎市神浦下大中尾町の大中尾棚田で10月30日夕、恒例の火祭りがあり、竹筒などにともされた約5千の炎が山あいの田んぼを包み込んだ。
稲の収穫を終えたこの時期に、同棚田保全組合(尾崎正博会長)が実施している。昨年同様、今年も新型コロナウイルス感染防止のため規模を縮小した。
小雨が降る中、田んぼを縁取る明かりがともると、「地域と自然が作りだす 美しい棚田2021」と光の文字が浮き上がった。一つ一つの炎が揺らめいて、まるで全体がきらきら輝いているよう。二胡などの生演奏も流れ、辺りは幻想的な雰囲気になった。
友人に誘われて来た長崎市横尾1丁目の女性(72)は「初めて見たがとてもきれい。これからも棚田を残し続けてほしい」とうっとり。同組合の松岡信道さん(75)は「こうして眺めると、一年の疲れが取れてしまうようだ」とほほ笑んだ。
山あい包み込む温かな光 長崎・大中尾棚田火祭り
- Published
- 2021/11/04 11:00 (JST)
- Updated
- 2021/11/05 10:13 (JST)
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