一級建築士の合格発表、氏名掲載を廃止へ

国土交通省は、建築士法施行規則の一部を改正する省令案を公表した。一級建築士の試験結果で公表している合格者の氏名発表を廃止し、受験番号に改める。昨今の個人情報保護の高まりを受け、改正に乗り出した。一般からのパブリックコメント(意見公募)経て、12月中下旬の施行を目指す。

国土交通省住宅局建築指導課によると、11月26日まで意見公募した後、確定後速やかに施行する構えで、早ければ今年度の12月24日に予定する合格発表から適用するという。

現行の建築士法では、1級建築士の試験結果に関し、本人に合格通知するほか、合格者の氏名をホームページに掲載している。受験者のプライバシーへの配慮を踏まえた上で、社会保険労務士、宅地建物取引主任者の他資格についても合格者の公示事項を氏名から受験番号に改める。

2級建築士は、各都道府県による管轄。合格者の発表形式は各判断に委ねられている。個人情報保護の観点から、各都道府県が独自の判断で、ホームページなどで合格者を氏名発表する形式から、受験番号に改める動きが広がっている。国交省は施行後、各都道府県に通達する方針で、今後は全国的に広がっていくものとみられる。

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