小栗了 演出 小出 恵介主演「群盗」制作発表会レポ 「人間の本質は時間が経っても、考えていることは変わらない」小栗了

フリードリヒ・フォン・シラーの戯曲第一作目となる「群盗」。
「疾風怒涛時代」と言われる 18世紀後半にドイツで起こった革新的な文学運動の代表作。シラーは、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』に刺激を受け、戯曲を書き始めたという。1782年の初演時には、観客に熱烈な支持で迎えられ、失神者まででたと言われている。この作品のテーマを、いつの時代でも変わらない普遍なものとし、家族の関係、兄弟の関係、恋愛をベースに物語をわかりやすく描いていく
主演は小出恵介、共演にオーデションで選ばれた池田朱那、物語のキーマンとなる弟・フランツ役に新里宏太。都内で制作発表会が行われた。登壇したのは、小出恵介、池田朱那、新里宏太、演出の小栗了。
まずは挨拶。
小栗了

「ここまでくるのに紆余曲折ありました。2020年のこけら落とし公演だったのですが、コロナで…。それで考え方も色々と変わりまして、思いを込めて!オペラの裏方から入り、日本人、外国人の方、そして古典に出会うことが多かった。この『群盗』はオペラもあります。来年の2月に公演、稽古も始まります。ストレートプレイはほぼ初めてです。埼玉だけでやっただけでは勿体無いと言われたい」
小出恵介

「6年ぶりの舞台です。感動しています」
池田朱那

「素敵なキャストの方々と!楽しみです」
新里宏太

「ミュージカルはあるけど、ストレートプレイは初めて、チャレンジです」

それからトークセッション、なんでも2019年の7月に小栗了から小出恵介にメッセして、そこからスタートしたという。それについて小出恵介は「たまたま開けたらメールが来てて、それが2019年の夏、舞台の話、嬉しかった、縁がある、ご縁です」と語る。小栗了と小出恵介の出会いは弟の小栗旬の初映画に小出恵介が出演していたところから始まる。「ダメ元で連絡入れた」と小栗了。たった1通のメールから始まった、と言っても過言ではない。
そして作品については「人間の本質は変わらない、同じことを繰り返す生き物」と小栗了。オーデションで選ばれた池田朱那はやや緊張の面持ち、「オーデションの連絡をもらって本を探したけどどこにもなくって…オーデションでは褒めてくださって…号泣しました」と振り返る。多くの応募があり、昨年末までかかったそう。そしてオーデションには小出恵介も立ち会ったという。

またストレートプレイは初めて、という新里宏太は「色々チャレンジしたい。お客様が役に共感してくださる部分がたくさんあったら嬉しい」と語るが、新里宏太が演じる役は主人公・カールの弟であるフランツ。”冷血”という役どころ。小栗了は「冷たい目が出来る人が欲しかった。レコ大の新人賞獲ってるだけあって度胸があって肝が座っている、なんの心配もない」と太鼓判。それを聞いて新里宏太は「プレッシャーを感じています、色んなご縁があってフランツ役をやらせていただきます」と再び。
そしてこの作品を選んだ理由について「古典というのは長い時間存在してて、人間の本質は時間が経っても、考えていることは変わらない、普遍的なものがある。オペラや古典は難しいと思っている人が多い、若い人にも見てもらいたい、オペラで関わった作品でもあるので」といい「各登場人物がバックグランドを持っている、人間模様をきちんと描きたい、大掛かりなものは考えていない、共感、悪者には悪者の理由、最初は悪人ではなかった」と言い演出家の仕事については「演出家は調整役です、丸くまとめて…」と笑顔。小出恵介は「台本読ませていただきました、古典、シンプルな構図、普遍的な部分もあり、誰にでも当てはまる、頭も心も軽くして臨みたい、何があっても受け入れる、そこからできることを」と意気込みを。

最後にPR、小出恵介は「これから戯曲を読んで稽古に励んで素晴らしい舞台をやっていきたい」と語り、登壇者全員大きく頷いた。公演は来年の2月18日から。複合施設MIZUHODAI WAREHOUSE内に新しい劇場、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみにて。東武東上線みずほ台駅西口徒歩1分、入口付近に併設予定のサテライトスタジオからは、コミュニティFM放送による情報配信も行うそう。

<作品について>
舞台は18世紀中頃のドイツ。
伯爵家に生まれた主人公カールとその弟フランツ。
放蕩息子であるものの父の信頼が厚い熱血漢の兄、幼い頃より父の愛に飢え、
兄への憧れが次第に深い憎しみへと変貌し冷徹に生きる弟。
フランツの策略により兄カールは父からの勘当を言い渡され、
失意の底に落ちたカールはやがて盗賊団のリーダーとなり義賊的な活動に及んでしまう。
共に永遠の愛を誓った恋人アマーリアはカールへの永遠の愛を胸に・・・。
本作は18世紀ドイツにおける啓蒙思想に異を唱える詩人
『フリードリヒ・フォン・シラー』の戯曲第一作目となる作品です。
「理性に対する感情の優越」をテーマに主人公カール、その父モール伯爵、 恋人アマーリア、弟フランツの人間模様と、登場人物の激しくも切ない葛藤を描く傑作戯曲「群盗」。
悲劇の中に芽生える深い愛と憎しみのストーリーは
人が行う不変的な何かを教えてくれることでしょう。

<概要>
日程・会場:2022年2月18日~ 2月27日 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
演目:群盗(ぐんとう)
原作:フリードリヒ・フォン・シラー
出演:小出恵介/池田朱那/新里宏太 ほか
演出:小栗了
美術:成本活明
衣装:大岩大祐
音楽:カワイヒデヒロ(fox capture plan)
主催:VOLTEX
後援:ドイツ共和国連邦
公式HP:http://www.mizuhodai-warehouse.jp

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