DTM、2022年から『DTMクラシック』を拡大。1972年からのDRM車両の『DRMカップ』も開催

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権は、2021年から開催されているヒストリックレーシングカーのレース『DTMクラシック』に、ふたつの新たなカップ戦を設けると発表した。ひとつは1984〜1996年までのDTM車両、2000年〜2007年の車両による『DTMクラシックカップ』、もうひとつは1972年から1981年まで開催されたDRM車両が対象の『DTMクラシックDRMカップ』となる。

 2021年からスタートしたDTMクラシックは、21年に向けてDTMが打ち出した5つの“柱”のひとつ。メインのDTM、GT4車両によるDTMトロフィー、DTM Eスポーツ、将来に向けたDTMエレクトリック、そしてこのDTMクラシックが“柱”とされている。

 そんななかスタートしたDTMクラシックは、ヨーロッパには美しい状態で保管されている古いレーシングカーが多いこともあり、DTM黄金期とも言われた1990年台初頭に活躍したBMW M3やメルセデスベンツ190Eなど貴重なクラシックレーシングカーが参加しファンを楽しませてきたが、2021年から規模を拡大することになった。

 まず、『DTMクラシックカップ』では、1984〜1996年までの歴史的DTM車両、さらにDTMが復活してからの2000年から2007年までの車両が参加できる。また『DTMクラシックDRMカップ』は、DTMの前身で、1972年から81年まで開催されたDRMドイチェ・レンシュポルト・マイスターシャフトの車両が対象となる。

「我々にとって、DTMのDNAは重要な役割をもっている」と語るのは、DTMを運営するITR e.Vのゲルハルト・ベルガー。

「DRMの時代から2000年代のDTMまで、F1をのぞきこうして誇るべき歴史をもつレースシリーズはそうない。DTMのこの“柱”はファンにも人気があり、個人的にも重要なんだ」

 DTMでは、これらのふたつのカップを開催することで、1970年代のポルシェ911やグループ5のフォード・カプリ、1980年代のBMW M3、フォード・シエラ、また1990年代のアルファロメオ、メルセデス、オペルなどが登場するとしている。

『DTMクラシックカップ』はラウジッツリンク、ノリスリンク、スパ・フランコルシャン、ホッケンハイムの全4戦、『DTMクラシックDRMカップ』はイモラ、ニュルブルクリンク、レッドブルリンクで開催予定だ。また、各カップにはそれぞれクラスが設けられる。クラス分けは下記のとおり。

DTMクラシックカップ
クラス1:1993年から1997年までのクラス1車両/2000年から2007年までのDTM車両
クラス2:グループH、1987年から1992年までのリストリクターなしのターボ車
クラス3:1987年から1988年までのDTM、グループAマシン
クラス4:1989年から1992年までのDTM、グループAマシン
クラス5:1984年から1986年までのDPMマシン

DTMクラシックDRMカップ
ディビジョン1:1976年までの2リッター以上の車両
ディビジョン2:1977年からの2リッター以上の車両
ディビジョン3:1976年までの2リッター以下の車両
ディビジョン4:1977年からの2リッター以下の車両

2021年のDTMクラシックの様子
ドイツには復活以降のDTM車両も多くが残されている。

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