巨人〝ぶっつけCS〟への不安と期待 坂本、戸郷が回復も虎撃破のカギは試合勘

坂本が元気になったのは好材料だが…(東スポWeb)

〝ぶっつけCS〟は吉と出るか。セ・リーグ3位から下克上に挑む巨人は4日にホームでの練習を打ち上げ、関西入りした。6日から甲子園でファーストステージを争う阪神の調整法とは正反対。阪神が社会人チームとの練習試合を3試合組み込んだ一方で、巨人はシート打撃のみだった。過去には実戦練習で感覚を研ぎすましてきたが、今年はどんな結末を迎えるのか。

異例の12日間が終了した。公式戦が終了した10月24日以降は一部投手と野手を除き、チーム本隊はフェニックス・リーグに不参加。4日間の休養日を挟みながら、この日で東京ドームでの全体練習も打ち上げた。

CSまでの期間の使い方は阪神とは対照的なものだった。原監督は「紅白戦はしない。もう140何ゲームやってきたから」と、宮崎へ短期間で移動する負担軽減や疲労回復を念頭に置いた。その結果、右手首付近に死球を受けた影響で別メニューでの調整が続いていた坂本はすっかり回復。背中の張りを訴え、フェニックスでの調整登板が見送られた戸郷もスタンバイ完了となった。

さらに、第1戦の先発が予定される菅野も在京で調整。エースのほか、大半の野手は2度のシート打撃で実戦感覚を養う形となった。

対する阪神は社会人チーム相手ながら、CS前日の5日まで練習試合を設定。必要とあればいつでも選手が参戦できる態勢を敷いた。

一定期間、実戦から離れ、一気に短期決戦に突入するCS。どちらの調整法が奏功するかは結果でしか計りようもない。ただ、5年ぶりのリーグ優勝を果たした2019年は、CSファイナルまでの10日間で紅白戦を2度実施。阪神を撃破した後、チームは日本シリーズまでの4日間を休養日と練習日に充てた。

一方で、ソフトバンクは紅白戦を1試合行い、巨人に4連勝を飾って日本一まで駆け上がった。日本一の夢破れた当時、首脳陣には「あの1試合で(ソフトバンクとの間で)試合勘に差が出た」との後悔も残された。

今回は果たしてどうか。10月31日の練習中に左わき腹付近を負傷した主砲・岡本和は手負いのまま。慎重を期して、この日も別メニューとなり、フリー打撃は回避した。原監督は「大阪には一応来ます」と帯同させつつも、出場の可否はギリギリまで見極める方針とした。逆風続きだが、何が起こるか分からないのが短期決戦。ぶっつけ調整は実を結ぶのか見ものだ。

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