クルーズ船 10日長崎入港 一般客乗せた入港は昨年2月以来

長崎に入港予定の飛鳥Ⅱ=9月15日、佐世保港三浦岸壁

 国内クルーズ船「飛鳥Ⅱ」(約5万トン)が10日に長崎入港を予定していることが4日、分かった。長崎港を管理する県が受け入れに向け最終調整している。一般客を乗せたクルーズ船が同港に入るのは、新型コロナウイルス感染拡大前の昨年2月以来。今年4月に県が受け入れ予約を再開して以降初となる。
 飛鳥Ⅱを運航する郵船クルーズ(横浜市)によると、8日に横浜港を出発、10日午後2時に終着地の長崎港に入る。乗客を降ろし、同4時に出港する予定。途中の寄港地はない。
 長崎港では昨年4月、停泊していた外国籍のクルーズ船内で集団感染が発生。これを受け県は、感染リスクなどがある場合に船舶の入港を制限できるよう条例を改正した。
 県は今年4月、客船を安全に受け入れるための「運用方針」と、船内で感染者が発生した場合の「緊急時対応計画」を策定し、国内客船に限定して岸壁使用予約の受け付けを再開した。5月に飛鳥Ⅱが寄港を予定していたが、感染拡大で実現しなかった。
 現在、県内の感染段階を示す独自のステージは最も低い「1」(感染者散発)。運用方針では「1」の場合、感染予防策を徹底した上で通常通り岸壁に接岸させる。
 郵船クルーズによると、客には乗船する1週間前と当日のPCR検査を義務付ける。ワクチン未接種の場合は乗船3~4日前も含め、計3度の検査を受けてもらう。業界団体が定めた感染症対策の指針に沿って運航する。
 県港湾課は客船受け入れ推進に向け「(今回が)契機になってくれれば」としている。

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