SRO、2030年に向けた持続可能戦略を発表。2023年からCO2排出量60%削減燃料を採用

 インターコンチネンタルGTチャレンジやGTワールドチャレンジを開催しているSROモータースポーツ・グループは、自社の二酸化炭素排出量の評価と改善すべき重要な領域を特定したプログラムを行い、2030年に向けた持続可能戦略の詳細を明らかにした。2030年に向けてゼロカーボン燃料と持続可能なタイヤ供給のパートナーシップを構築していく。

 世界的にサステナビリティへの動きが加速していくなか、GT3によるレースを開催するほか、GT4などさまざまなレースをグローバルに開催しているSROは、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)開催のタイミングに合わせ、イベント、チーム、パートナーという3つの柱を中心に、持続可能戦略を発表した。

 まず第1の柱である“イベント”では2022年シーズンを通じて、サーキットやサプライヤーの協力を得ながら、リサイクルを最大限に活用し、廃棄物を最小限に抑える活動を行う。パドックからプラスチックごみをなくす目標を掲げており、プラスチックボトルを段階的に廃止していく。すでにSROのスタッフはドリンク用のリユースボトルを使っている。

 ケータリングでも同様で、SROはプラスチックごみの削減とリサイクルのためのガイダンスをチームとサーキットに提供する。また、2022年からグッズ、ブランディング用品、チームのユニフォーム等のリサイクルをサポートし、廃棄物を減らしていく。

 第2の柱の“チーム”については、SROにとってチームは最大の原動力であり、戦略の中心的な柱と位置づけられる。コンペティターは脱炭素化のガイダンスやオンラインの炭素計測ツールなどが提供され、森林破壊を回避することでSROはカーボンオフセットを行う。

 またカーボンニュートラルに向けたプログラムを行っていく。SROは2022年に、電気および水素を使ったGTレースのデモンストレーションを行う。また、さまざまなバックグラウンドをもつチームを奨励するほか、SROが展開するEスポーツでは、性別と国籍の多様性を目的としたドライバー、エンジニアリングプログラムを作成する計画を進める。

 第3の柱とされるのが“パートナー”。SROは、ゼロカーボン燃料と持続可能なタイヤ供給を行うパートナーシップを構築していく。SROはイノベーターと協力し、2023年までにCO2排出量を60%削減。2030年にはCO2をゼロにする。

 タイヤの設計も優先事項で、2022年シーズンはじめから使用済みタイヤの100%の収集、回収を実現。2024年にはタイヤのアップサイクリング(創造的再利用)を行うほか、これらの取り組みと並行して、持続可能でロングライフなタイヤを開発することを推進していく。

2021ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第10戦バルセロナのスタートシーン

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