〈衆院選回顧〉上越政界転変~〝130票〟の明暗〈上〉 梅谷氏 野党共闘で初当選 高鳥氏 運動量不足で苦杯

 令和年度初、解散から投開票までの期間が戦後最短という「超短期決戦」となった第49回衆院選が終わった。いみじくも、1996年10月の衆院選から導入された「小選挙区比例代表並立制」もちょうど四半世紀。小選挙区新潟6区の戦いは非自民勢力が議席を回復。また、同制度を象徴するように比例での復活当選が16年ぶりに実現した。6区「盟主」が交代。上越政界は新たな展開に入る。激戦選挙を振り返る。

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 10月31日に投開票が行われた衆院選新潟6区は、立憲民主党の新人、梅谷守氏(47)と5期目を目指した自民党の高鳥修一氏(61)による3度目の対決となり、梅谷氏が130票差で初当選を決めた。梅谷氏は前回選からの「野党共闘」を強固なものにし、組織戦を展開した高鳥氏を僅差で制した。

 喫緊の課題となっている新型コロナウイルス経済対策、国が関与する地域課題(公立病院再編、防災・減災対策)などをめぐって論戦が交わされた。

 2017年は高鳥氏が2212票差で競り勝ち、今回は梅谷氏が130票差で逆転した。糸魚川市では前回、高鳥氏が出生地である地の利を生かして約6400票差をつけたが、今回は5100票差まで縮まった。妙高市では梅谷氏が引っ繰り返し650票差を、大票田・上越市は非自民の支持基盤が厚く、前回選同様に梅谷氏が7000票以上の差をつけた。高鳥氏が勝利した十日町市、津南町では票差が縮まった。最終票数を考慮すれば、いずれも小選挙区の勝敗を決定づける「決め手」となった。

 梅谷氏は3日、上越タイムス社の取材で「世論調査、出口調査の結果では勝敗が分からなかった。選挙は『生き物』。戦略的にどこ、というより選挙区内全てで支持を訴えた」と振り返った。

3回目の挑戦で初当選を飾った梅谷氏。自民県連会長の高鳥氏を制しての勝利に多くの報道陣の取材に答えた(3日、県庁)

 高鳥氏は1日、報道陣の取材に応じ「4年間、政府や国会の要職を務め上げてきて、週末以外は地元入りできなかった。選挙運動という点では、運動量が不足していた」と述べた。

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