人気ガールズグループメンバー 同性愛差別を理由にロシア公演の出演拒否 自身の倫理観を曲げられない

英ガールズグループ、リトル・ミックスのジェイド・サールウォール(28)が、同性愛者を差別する法律の存在を理由にロシアでのライブ出演を拒否した。同国のファンのためにステージに上がりたいものの、自身の倫理観を曲げることはできないとしている。

2013年に設立された同性愛宣伝禁止法により同国では、伝統的な性的関係と非伝統的なそれが社会的に等しい価値を持つという「歪んだ考え」を宣伝することが違法と見なされ、国際的な人権NGOのアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチなどから非難の声が挙がっていた。

ポッドキャスト番組『テーブル・マナーズ・ウィズ・ジェシー・アンド・レニー・ウェア』に登場したジェイドは、同国でのコンサート開催の有無について聞かれ、「まずノーと言うでしょうね。でもドバイでライブを一度やったことがあるし、行かないか、行くとしても声明を出してギャラはチャリティに寄付するかだった」「時と場合によると思う。でも近々ロシアみたいな場所に行く気は全くない、向こうで今起こっていることを私は信じていないから」と答えている。

そんな強い姿勢を示したジェイドだが、同性愛を嫌悪する地域にはLGBTQ+のコミュニティが必要不可欠だとして、「こういった場所には、彼らの味方になって立ち上がり、あの旗を掲げ、1人じゃないんだって皆を思わせてくれる人が本当に必要だと思う。アラブ女性として私は、中東にいるファンの人たちに、尊敬できる誰かがいることを証明し、1人きりじゃないって気づかせなくてはいけない」と続けた。

母親のノーマ・バドウィからエジプトとイエメンのルーツを持つジェイド、同番組でLGBTQ+と自身の関係について語り、彼らの味方でいることは常に人生の一部だったとするも、最近までその意義や方法について無知だったと明かした。

また、熱心なサポートの裏には、幼い頃夢中になったドラァグカルチャーと家族旅行で行ったスペインのリゾート、ベニドームでドラァグショーを見た思い出があるそうで、ジェイドはこう振り返っている。「私にとって(LGBTQ+サポートの)根源は、ドラァグカルチャーへの初恋だったと思っている。それについて当時は分からなかったけど、ダイアナ・ロスやシェールといったディーバを見ては、彼女らに夢中になっていた。そして私は、ベニドームを全ての人を受け入れる魔法の大地と思ってきたわ」

ちなみに故郷のイングランド北部では現在も同性愛差別が根強いそうで、こう語ってもいた。「多くの人は聞く耳は持っているけど、理解はしていなくてそれが下の世代へと引き継がれている。祖父が同性愛嫌悪の人だったら、その息子も自分がゲイでない限り、その意見を聞き入れてしまう。誰かが変化に挑戦するまで、そういった有毒な男性性が世代間で伝えられることになる。私はそういうところで育った。私は小さい時からそれに反対だったけど、その意見をどう表現していいのかわからなかったの」

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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