羽生結弦「NHK杯欠場」で特大余波 チケット“大量放出” で恩恵を受けた人たちとは?

「ゆづロス」が各方面に波及している(東スポWeb)

影響力は絶大だ。フィギュアスケートの五輪2連覇・羽生結弦(26=ANA)が右足関節靱帯損傷によりグランプリ(GP)シリーズNHK杯(12~14日、東京・代々木第1体育館)の欠場を発表し、〝ある異変〟が起きている。大量の観戦チケットが譲渡目的で取引され、ケガの回復祈願で神社に訪れるファンも続出。エースが姿を消した「余波」を追った。

絶対的な主役が欠場を発表したのは4日午後5時。その直後から公式チケットトレードサービス「チケプラトレード」には大量の〝売り注文〟が殺到し、ネットでは「大量放出されている!」と大きな話題となった。

このサービスは「譲りたい人」「希望する人」が定価で安心して取引できる制度で、多くのコンサートや公演で利用。競争率が激しいNHK杯はチケットを手放す人がほとんど見当たらなかったが、羽生の欠場発表から丸1日経過した時点で約3000枚の取引が成立する反響ぶりだった。

この放出の恩恵にあずかったのは、アイスダンスで村元哉中(関大KFSC)とカップルを組む高橋大輔(同)のファンだ。絶大な人気ぶりは羽生と双璧をなすが、今大会は豪華メンバーがそろったこともあり、多くの人がチケットを獲得できずに困惑していた。そんな中で突然の事態となり、羽生ファンの中には「チケットが行き渡りますように」と大ちゃんファンに譲渡の意思を示す人も。失意の中で湧き出た〝ゆづる心〟により、両雄のファンが意気投合を見せた。

欠場の余波はこれだけではない。全国各地には羽生にゆかりある神社が点在するが、ケガの回復を祈願すべくファンが続々と出向いているという。

名前が似ていて、本人も参拝した「弓弦羽神社」(兵庫・神戸市)は羽生ファンの聖地として有名。5日朝から〝神頼み〟に訪れた人がいたと言い、沢田政泰宮司は「きっちりケガを治して、また頑張っていただきたい」とエールを送った。さらには、足の神様がまつられる各地の神社にも絵馬に願いを記す人が現れたようだ。

羽生は「今回のケガからも、また何かを得られるように」とコメントしたが、北京五輪へ向けて背中を押すファンも結束を強めている。

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