10月31日、衆議院議員選挙の投開票が行われた。各局の速報番組を観るのが好きで今回も8時から見ていた。
自民は大きく議席数を減らすという予想もあったが、単独で過半数を確保し自公連立政権が続くこととなる。今回の投票率は56%弱になる見込みだと伝えていた。
日本では外国籍の人間には選挙権が与えられていない。だから筆者も一度も国会議員や知事、地方議員を選ぶ選挙に参加したことがない。参加したのは生徒会長を選ぶ選挙くらいだ。
しかし、朝鮮で選挙に参加したことがある。
1998年夏、朝鮮訪問中に最高人民会議代議員の選挙が行われた。最高人民会議代議員といえば日本でいう国会議員だ。その時、祖国訪問中の在日朝鮮人も投票する機会を与えられたのだ。
投票所は平壌市内の学校だったと記憶する。
一人ずつカーテンで仕切られた場所に入り投票した。面白かったのが投票所の外の模様だ。女性たちの多くはチョゴリで着飾り演奏に合わせて踊りの輪ができていて、ちょっとしたお祭りのような雰囲気だった。
一番印象に残っているのが、胸に21個の勲章をつけた老人の姿だ。
国を奪われていた時代から国の主人となった人々。自分たちの手で代議員を選ぶことの誇り、喜び、感謝がすべての人たちから感じられた。
その時の選挙には有権者の99・85%が参加したと報道されており、在日同胞7人も代議員に選ばれている。投票した同胞たちもみな誇らしげだった。