鷹の外野手争いにいる“有望株” 長谷川勇也コーチも注目する“ポスト長谷川”は?

ソフトバンク・長谷川勇也1軍打撃コーチ(写真は現役時代)【写真:藤浦一都】

「じっくりと球を選んで、打っていけるタイプで、あまりホークスの打線にはいないタイプ」

ソフトバンクの秋季キャンプは5日、宮崎市の「生目の杜運動公園」で第1クール2日目が行われた。今季で現役を引退したばかりの長谷川勇也1軍打撃コーチは、後継者となるべき「ポスト長谷川」に来季が3年目となる柳町逹外野手を指名した。

2013年に打率.341、198安打で首位打者と最多安打のタイトルを獲得した長谷川コーチ。「まずはしっかり自分の仕事を早く覚える。そこで手間取ると選手に迷惑をかけるので。選手にいい環境で練習やってもらえるように、そういう環境を作っていきたい。それが目標です」と言いつつも、初日から後進の育成に力を注いでいる。

そんな長谷川コーチが注目している1人が柳町だ。コーチ就任が決まると、地元テレビでの出演時には柳町の名前を挙げて後継者に“指名”。キャンプ2日目には「どちらかといえば、じっくりと球を選んで、打っていけるタイプで、あまりホークスの打線にはいないタイプ。僕も若い時は出塁率を意識してやっていたので、なんとか簡単にアウトにならないというのを思って打席に立っていた。柳町が近いのかな、と思いました」と自身との“共通点”を指摘した。

柳町は今季ウエスタン・リーグで88安打を放ち、同リーグで最多安打のタイトルを獲得。1軍でも20試合に出場して48打数11安打、打率.229を記録して、シーズン最後には逆方向へプロ初本塁打も放っていた。

柳町自身は「選球眼には自信がある。(長谷川2世と呼ばれるのは)嬉しいとともに頑張らないといけないなと思います」と意気込みを口にし、長谷川コーチは「逆方向にしっかり打てるのでそこは消してはいけない。段階踏んでいくと対処しないといけないことは必ずあるので、そう言ったことを先読みしながら準備したいなと思います」と柳町の長所をこう評価する。

ソフトバンクの外野には柳田、栗原がレギュラーに君臨。牧原大や上林といった面々も虎視眈々と定位置の座を狙っており競争は熾烈だ。その競争に加わっていく柳町。稀代のヒットメーカーが注目した才能が、秋を経て、来季開花の時を迎えるか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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