ウミガメの2割ごみ誤食 ビニールや釣り糸…2リットル詰まった例も 沖縄近海

 【本部】沖縄美ら海水族館(本部町)は5日、沖縄本島周辺のウミガメの約20%が海洋ごみを誤食しているとの調査結果を発表した。約30年にわたり、死んで沿岸に漂着した3種のウミガメ484個体の消化管内容物を調べた。ここまで大規模な調査は国内初だという。中には2リットル分のごみが詰まっていた個体もいた。

 調査は1990年から2019年の約30年間実施。対象種はIUCN(国際自然保護連合)レッドリストで絶滅危惧種となっているアオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ。アオウミガメは15%の個体がビニール、ロープ、釣り糸などを誤食していた。同種は国内各地のデータと比較し、北へ行くほど、ごみを誤食する割合が高くなった。アカウミガメは24%、タイマイは29%の個体がプラスチック片などを誤食していた。

 調査に関する論文は国際学術誌「マリン・タートル・ニュースレター」の電子版で掲載された。研究論文の第一著者で、同館海獣課ウミガメ係の笹井隆秀氏は「海洋ごみが死因に直結しているわけではないが、健康に影響を及ぼしている。今後はごみの種類がどう変わっていくのか、継続して調べていきたい」と述べた。

 海洋博公園内にあるウミガメ館では、ウミガメの消化器官内から見つかった海洋ごみを展示している。

 
▼「マグロが海に落ちている」ドライブの夫婦が発見、素手で生け捕り
▼那覇の住宅街の川にいたサメ、実は希少種 那覇で目撃
▼石を抱いて海を走る…記者が体験、ロックラグビーの快感
▼【動画と写真】「亀仙人」らが救出 巨大ガメ海に帰る
▼【写真】スーパームーン月食の夜、サンゴ大量産卵 宇宙と海が響き合う
▼【写真と動画】崩れゆく「沈む戦跡」米軍艦エモンズ

© 株式会社琉球新報社