諫早市 1億2957万円の不当支出 2014、15年度 対象外の患者算定

 2020年度決算検査報告の長崎県関連で会計検査院は、国民健康保険の「結核・精神病特別交付金」で対象外の患者を算定に含めたとして、諫早市の14、15年度の計1億2957万円を不当な支出と指摘した。
 同交付金は結核性疾病や精神病が主要疾病のレセプト(診療報酬明細書)が算定対象。しかし請求に対象外の疾病が含まれていた。同市の制度の認識不足が原因で、指摘された分は国に返還を始め、年度内に完了する見通し。
 このほか15~20年度に県内の4医療機関に支払われた医療費の国負担分計506万円を不当と指摘。病状に応じた点数の区分で、入院基本料が低い点数の患者を高い点数で算定し、リハビリテーション料は要介護者の点数を誤って算定していた。既に返還したか、返還手続き中。
 また、東そのぎ上地区活性化協議会が「そのぎ茶」の海外プロモーション事業に補助金として活用した九州農政局の補助金の一部155万円について、会計検査院は領収書などで確認ができないとして「不当」と指摘。九州農政局が当初の概算額を誤って補助額として確定し、協議会側は指摘された155万円は使わず、返還している。

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