壁画や立体、映像…マステで鮮やかアート 横浜で展覧会

テープを利用して生まれる個性豊かな作品を味わえる=BankART KAIKO

 カラフルなデザインを施したマスキングテープを使ったアート作品を集めた展覧会「mt art project」が、横浜市中区北仲通のBankART KAIKO(バンカート カイコ)で開催中だ。国内外のアーティスト12組が手掛けた壁画や立体、映像作品など約30点が並ぶ。

 作品を通じてテープの可能性を発信することを目的に、製造元の「カモ井加工紙」(岡山県倉敷市)が企画した。もともとマスキングテープは塗装の養生用として使われてきたが、粘着力が弱く剥がしやすいため、文具や雑貨、ラッピング装飾など世界中で幅広く活用。さまざまな色や柄のものが登場している。

 テープを切ったり、ちぎったりして貼り合わせ、一つの作品に仕上げる。横浜市出身のHogalee(ホガリー)は女性をモチーフにしたポップな絵柄が特徴。新作の壁画「Echo Chamber」は、会員制交流サイト(SNS)などの閉鎖的空間で偏った思想が増幅する現象を、女性のわずかな表情から捉え、赤と青のテープで対比した。

 「#マステ生活」をテーマにマスキングテープで身の回りを彩る作品は、同区の建築設計事務所、オンデザインパートナーズが制作。西田司(おさむ)代表は「家の中だけでなく、街や建物にも“マステ”でデザインすることで貼る人、見る人との間に新しいコミュニケーションが生まれる」と話す。

 13日まで。午前11時~午後7時。入場無料。問い合わせは、同社事務局電話086(465)5800。

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