MotoGP第17戦アルガルベGP:バニャイア、レコード更新タイムでポール獲得。ドゥカティのふたりが予選ワン・ツー

 11月6日、MotoGP第17戦アルガルベGPの予選がポルトガルのアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われ、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がオールタイムラップ・レコードを更新するタイムで今季6度目のポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はQ1で転倒を喫し、22番手で予選を終えた。

 フリー走行3回目は気温16度、路面温度19度のドライコンディションで行われた。セッション序盤にトップに立ったのはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)。しかしその後、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマークする。

 その後、一時ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)がトップ、中上が2番手につけるも、クアルタラロが再びトップに立った。しかし残り時間5分を切って、バニャイアがクアルタラロのタイムを0.004秒上回り、1分39秒202をマーク。初日の再現のように、クアルタラロとバニャイアがトップタイムを記録し合う。

 クアルタラロは最後に自身の自己ベストを更新したが、バニャイアのタイムにわずか0.001秒及ばず、フリー走行3回目はバニャイアが制した。2番手はクアルタラロ、3番手はミル。4番手はジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)で、5番手にはアレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)が入った。中上は10番手のホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)に0.005秒差の11番手で、惜しくもQ2へのダイレクト進出を逃した。

 フリー走行4回目でも、バニャイアがトップタイムをマーク。2番手にヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)、3番手にはルーキーのルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア)がつけ、4番手はイケル・レクオーナ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)、クアルタラロは5番手。中上は12番手だった。

## ■予選はバニャイアが今季6度目のポール獲得

 予選のQ1は気温20度、路面温度27度のドライコンディションで始まった。中上やKTMの4人のライダー、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)などがQ2進出を目指しアタックを開始する。

 前半のアタックでトップに立ったのは、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、2番手はミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)。その後、前半のアタックの時間を長くとったザルコがトップタイムを記録する。中上は3周を走ってからいち早くピットイン。タイヤ交換を行って残り時間7分ほどで後半のアタックに入った。

 中上はアウトラップ後、自己ベストを更新するも、その翌周に5コーナーで転倒。残り時間3分でアタックを終えた。

 トップに立ったのはレクオーナ、さらに2番手にはエネア・バスティアニーニ(アビンティア・エスポンソラーマ)が続く。しかし、ザルコが最後のアタックで1分39秒130を記録。これがQ1のトップタイムとなり、ザルコが1番手、レクオーナが2番手でふたりがQ2進出を決めた。レクオーナは今大会、苦戦を強いられているKTM勢で唯一、Q1を突破したライダーとなった。

 続いて行われたQ2では、ミラーが1分38秒836のトップタイムを叩き出す。このタイムは、今大会と同サーキットで行われた第3戦ポルトガルGPでクアルタラロが記録したオールタイム・ラップ・レコード、1分38秒862を更新するものだった。

 ピットでのタイヤ交換が行われたあと、残り時間4分で後半のタイムアタックがスタート。バニャイアがチームメイトであるミラーのタイムを0.061秒更新してトップに浮上すると、その翌周にもタイムを詰め、1分38秒725を記録。トップをキープする。

 一方、クアルタラロは前半のアタックでイエローフラッグが提示されていた区間を通過したことでラップタイムが取り消しとなり、さらに後半に入っても上位に迫るタイムを記録することができない。

 ポールポジションを記録したのはバニャイア。2番手はミラー。ふたりはオールタイム・ラップ・レコードを更新するタイムで予選ワン・ツーを決めた。3番手はミルで、MotoGPクラスで初めて予選でのフロントロウ獲得となった。

 4番手はマルティン、5番手はザルコで、2列目に4人のドゥカティライダーが並ぶ。6番手に食い込んだのはポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)。クアルタラロはまさかの7番手で、3列目から決勝レースを迎えることになった。

 Q1で予選を終えたロッシは16番手。転倒を喫した中上は22番手だった。

© 株式会社三栄