韓国人原爆犠牲者を追悼 駐日大使ら慰霊碑を除幕

除幕した慰霊碑の前に献花する姜大使=長崎市平野町

 長崎市平野町の長崎原爆資料館前に位置する平和公園「祈りのゾーン」内に、韓国人原爆犠牲者慰霊碑が建立された。6日は現地で除幕式があり、韓国の姜昌一駐日大使ら日韓の関係者約80人が出席して原爆犠牲者を追悼した。
 在日本大韓民国民団(民団)県地方本部が中心となり建立委員会を組織。近くには市民団体が設置した「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼碑」はあるものの、韓国人による慰霊碑を建てようと準備していた。韓国政府も費用を一部負担している。
 市によると、慰霊碑建立を巡っては、2014年1月に同本部が慰霊碑の設置許可を市に申請。しかし、碑の大きさや設置場所、碑文に「強制労働」などの文言があったことから協議を続けていた。その後、碑文の内容などが変更され、市は今年8月に設置を許可した。碑文は「本人の意思に反して徴用・動員される事例」などと記している。
 式では高さ3メートルの慰霊碑を関係者が除幕。出席者は碑の前に献花をした後、長崎原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうした。長崎原爆資料館ホールで開いた慰霊祭で、姜大使は「小さな一歩が韓日間の模範的な協力事業として歴史に記され、世界の平和のとりでを築くことにも貢献する大きな一歩となることを願う」と述べた。

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