感染不安、女性、別居、待遇悪化…コロナ禍で脳波検査技師の35%に精神的ストレス

横浜市立大学医学部の池谷直樹助教、米ウェイン州立大学の黒田直生人研究員らの研究グループが国内25カ所のてんかん医療施設と連携し、コロナ禍が日本のてんかん医療に与えた影響を調べたところ、35.2%の脳波検査技師が精神的なストレスを抱えていることが分かった。

研究グループは国内25カ所のてんかん医療施設で働く173人の臨床検査技師にアンケートを送った。回答があった142人のうち、脳波検査に関わった128人の回答を解析した。

それによると、コロナ禍で精神的ストレスを抱えているのは全体の35.2%に上った。具体的なストレスの原因としては、検査技師自身の性別が女性であることをはじめ、医療従事者であるために家族と別居していること、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者の検査、経済的待遇の悪化などが挙げられた。

医療従事者はコロナ禍でさまざまな要因により、精神的ストレスにさらされていると考えられている。中でも、脳波検査技師は検査の特性上、近距離で患者と接触する機会が多く、より多くのストレスに襲われているとみられてきた。しかし、その実態に十分な調査が及んでいなかった。

研究グループはコロナ禍が長引いている中、調査で浮上したストレスの原因をチェックすることが脳波検査技師のメンタルヘルスで有用になるとみている。

論文情報:

【Epilepsy & Behavior】Risk factors for psychological distress in electroencephalography techniciansduring the COVID-19 pandemic: A national-level cross-sectional survey in Japan00622-3/fulltext)

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