【パCS】ロッテがCSファイナル進出 21歳・山口航輝が3安打2打点の大暴れ 

6回に値千金のホームランを放った山口航輝(東スポWeb)

ロッテが7日、ZOZOマリンスタジアムで行われた楽天とのCSファーストステージ第2戦を4ー4の引き分けに持ち込み、10日から始まるオリックスとのCSファイナルステージ進出を決めた。

試合を決めたのは1点リードされた7回。2死無走者からマーティンが値千金の同点弾を右翼上段席に運んだ一発だったが、頼れる助っ人に隠れながらもチーム浮上に貢献したのがこの日本塁打を含む3安打2打点の活躍を見せたプロ3年目の山口航輝外野手(21)だった。

2回の第1打席で2試合連続安打となる中前打を放つと、1点リードされた4回の第2打席では左翼線に適時二塁打を放ちチームを同点に導く。さらに真骨頂を発揮したのが6回1死で迎えた第3打席だった。カウント1ー1から楽天の右腕・安楽の直球にバットを合わせると打球は大きな弧を描いて右翼席最前列へ。一時チームにリードを呼び込む一発でロッテに流れを呼び寄せた。

「シーズン後半から自分の思うようなバッティングができてきて。結果も出ていい2日間になった」

大舞台での躍動をこう話す山口だが、ここまでの道のりは苦悩の連続だった。

井口監督に「将来4番を打って欲しい」と期待をかけられシーズン開幕から出場機会を与えられたが、思うような結果が残せず低迷。打率1割台が続いたこともあり5月末には二軍落ちを余儀なくされた。それでも昨季、ファームでチームトップタイの7本塁打を放った和製長距離砲候補は腐らなかった。後半戦スタートと同時に一軍復帰すると、以後はマーティンの右足甲骨折もあり右翼定位置を奪取。シーズン最終戦(10月30日・日本ハム戦)で3安打を放ち、ミニキャンプを経てCSスタメン切符を勝ち取った。そんな状況からの躍進だけにチーム内ではラッキーボーイ的な存在になりつつある。

10日からはリーグ優勝を果たしたオリックスとのCSファイナルに臨む。今季のオリックス戦は打率2割9厘、2本塁打、3打点だが「チーム一丸となって勝てるように。日本一になれるように頑張りたい」と前を向く山口。21歳の若武者はさらなる高みを目指す。

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