えっ、葉っぱを食べるの!? 大阪・箕面の名物「紅葉の天ぷら」とは

紅葉の天ぷらを食べに行こう!

自然豊かで、落ち着いた雰囲気の街並みで居住地として人気の大阪・箕面(みのお)市。秋には紅葉を観に来る観光客で特に賑わいます。

ここで有名なのが、なんと木の葉っぱを料理した品。箕面市の観光名所箕面の大滝に通じる道「滝道」 には、10軒以上の「紅葉の天ぷら」のお店が並んでいます。

紅葉の葉を揚げて食べるなんて!? いったい紅葉の天ぷらとはどんなものなのか、調べてきました!

「もみじの天ぷら」!?

今回ご協力いただいたのは。「久國紅仙堂(ひさくにこうせんどう)」さんです! 75年の歴史をもつこちらのお店で、「もみじの天ぷら」の作り方を見せていただきました。

そもそも紅葉の天ぷらの由来は1300年程前に遡ります。箕面の山には修験道場があり、そこで修行をしていた行者が滝に映えたもみじの美しさに感銘を受け、その天ぷらを作り修験道場を訪れる旅人に提供していたのだそうです。

その後それがお菓子に転じ、今では地元の伝統銘菓として人気のお土産品になっています。

このお店では、150本の食用紅葉の木を自家栽培して、黄色く色づいた葉を塩漬けにして一年間分保存してあるのだそうです。落ち葉で作っているわけではないのですよ。きちんと手間暇がかかっているんです!

紅葉の葉は塩漬けにすることで灰汁が抜け、また一年中「もみじの天ぷら」を提供することが可能なのです。

赤くなってしまった葉っぱは葉脈が口に残る、油で揚げた時に色が黒ずんでしまう、などいろいろな理由があり、このお店では黄色の紅葉の葉だけを選別して使用しているとのこと。

塩漬けにした葉っぱを、調理前に塩抜きして、ザラメ砂糖と選り抜いた小麦粉、ゴマを使用し、ようやく紅葉の天ぷらを揚げる準備が整います。
本当に手間がかかるんですね……。

そしていよいよ揚げていきます。

油の温度や揚げる時間にもコツがあるのだそうです。

もみじの天ぷらは次々と揚げられていくのですが、ここ久國紅仙堂では、その揚げたてが店頭に並ぶことはないそうです。一晩油をしっかり切ってからでないと店頭に出さないのだとか。

油をしっかり切るおかげで、しつこくなく、口当たりの軽いお菓子に仕上がるというわけなのです。

気になるお味は……?

さて、こうして美味しそうな色に完成したもみじの天ぷら。食べてみましょう。

カリカリで、ほんのり甘い衣。葉脈にはうっすらと塩味がのこっています。葉っぱだけが口に残ることはなく、カリカリしたスナックとして楽しめました。

天ぷら、という名前を使っていますが、むしろお菓子の「かりんとう」に近いお味。箕面市の会社ではお茶請けとしても出されるのだとか。

「紅葉の天ぷら」とひとくちに言っても、揚げたてものを売っているところがあったりと、それぞれの店で少しずつ味わいや食感が異なります。久國さんのものを始め、食べ比べるのもいいかもしれませんね!

箕面以外では、大阪ミナミの「OCAT(大阪シティエアターミナル)」など、数箇所で販売しています。

さてみなさん、いかがでしたか?

「紅葉の天ぷら」という言葉から想像していたものとは違ったのではないでしょうか。箕面にこないとなかなか見かけることがない「もみじの天ぷら」。滝道をゆっくり歩きながらぽりぽり食べ歩くのも楽しいです。

滝を見に行く観光客、散歩の家族連れ、ジョギングをする方、山登りに行く方、様々な格好の方が行き交うこの道。外国人観光客も増えているようで、久國紅仙堂の女将さんも、道を尋ねられたときのために英語・中国語・韓国語・タイ語の地図をお店に用意しているのだそうです。

みなさんも、ぜひこの自然豊かな箕面の地に足を運んで、名物紅葉の天ぷらを味わってみてくださいね!

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