一緒に仕事をしたからこそ言える!トランプ氏はここがスゴイ!乙武洋匡が公明党・岡本三成氏に迫る!

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今回は2020年11月28日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは公明党・岡本三成議員です。トランプ氏との関係性やこれからの外交について伺いました。

 

ドナルド・トランプ氏との関係性

かつて、ドナルド・トランプ氏とも仕事をしたことがあるという岡本議員。トランプ氏とは、どのような関係性だったのでしょうか?

岡本議員は、「私が以前勤めていた会社が、トランプ氏が社長をしていた不動産会社のメインバンクでした。様々なファイナンスのご提案等をさせて頂くチームの中に私も入り、プレゼンをしたりしていた。トランプ氏は普通のミーティングには出席しないが、意思決定時や重要な会議には出席していました。ニューヨークにあるトランプタワーで会議をしていました」と話しました。

これには乙武氏も「スゴイですね!」と驚きを隠せない様子。岡本議員は、「当時は(トランプ氏も)不動産会社の社長であったが、今考えると得難い経験です。トランプ氏と実際に顔を合わせて会話をしたことも2回あります」と当時を振り返りました。

トランプ氏はやると決めたことを実現するパワー、執念がスゴイ

実際にビジネスマンとして会ったトランプ氏の印象はどのようなものだったのでしょうか。

岡本議員は、「トランプ氏は、物事を好き嫌いで決めることがあります。その好き嫌いで決めることが結構的を得ていて、好きなものをやって正しい選択だったことも多かった。そして、やると決めたことを実現するパワー、執念がスゴイ。トランプ氏のビジネスのサクセスファクターは、ニューヨークにコミットしたことです。

彼はニューヨーク以外にもフロリダや色々なところに資産を持っていますが、恐らく資産の8割程はニューヨークにあると思います。不動産投資をする際、普通はリスクを分散したいから資産を色々なところに持ちますが、彼はニューヨークの未来にコミットしました。

それを決めたのは好き嫌いですが、実現するためにニューヨークへ徹底的にコミットするようなビジネス展開をしました。リーダーとしてどうなのかは評価が別れるところですが、決断力決めたことをやり抜く力は大したものだと思います」と話しました。

トランプ氏が当選したアメリカ大統領選挙2016を、岡本議員はどのように見ていたのでしょうか。

岡本議員は、「大統領選挙の結果が出るまで、ほとんどの人が当選者はヒラリー・クリントン氏だろうと思っていました。私もそう思っていましたが、「さすが言ったことをやる人間だな」と感じました。大統領就任後も、(トランプ氏の)言ったことが正しいかどうかは分かりませんが、言ったことは実現していました。たとえば、私は間違っていると思いますが、パリ協定から離脱したりTPPから離脱したりと、言ったことはやっています」と話しました。

乙武氏は、「国際的に見て彼の取った方針が正しいかどうかは一旦置いといて、支持者のために選択をしてきたという点に関しては一貫していました」主張します。

岡本議員は、「2016年の大統領選時、ヒラリー氏の名前を書いた有権者のほうが数は多かったのですが、選挙制度の型にはめるとトランプ氏が勝利しました。それでもほぼ半分の国民は、トランプ氏を支持していた。

また、2020年の大統領選でも国民の半分近い方がトランプ氏を支持し、多くの国民を自分の意見に共感させる手法や情熱は大したものです。国際的にあれだけ批判されているような政策を採っても、それを熱狂的に応援する方々が国民の中で半分もいる」と話しました。

当時の安倍政権はうまく外交ができた

乙武氏は、「トランプ政権後、外交上で日本にはどういう変化があったのですか?」と尋ねます。

岡本議員は、「なるべく変化がないように、当時の安倍政権はうまく外交ができたと思います。日本が致命傷になるような変化を受けなかった。一方で、中国の場合は経済的に敵、味方みたいになってしまい、不利益を多く被りました。元々、日本の企業と中国の企業とではアメリカでやっているビジネスのフィールドが違います。

日本はアメリカから非難されるようなことは何もなかった。私は安倍政権時代に外務大臣政務官をやらせて頂き、当時の河野太郎外務大臣の下でアメリカ、中南米の経済担当をしました。その後は中国も担当した。当時の河野大臣や外務省、経産省の方はよく日本の国益を守ったと思います」と話しました。

続けて乙武氏は、「やはりトランプ外交は押しが強いのですか?」と尋ねます。

岡本議員は、「強いです。ただ、一番はじめに当時の安倍総理とトランプ大統領が首脳会談をやった時の共同声明文で、日本は良い意味で勝負ありでした。私達は経済活動と安全保障をごっちゃにされたくないのです。日米安保条約の中で日本の安全保障をアメリカに守ってもらっているところがあるから、これを人質に取られて経済活動で全部相手の言いなりになるのは絶対ダメ。

初めての首脳会談後に出した声明は、経済活動と安全保障を別々のところでフェアに議論するという声明になっています。その時点で、日本は国益を守るようなベクトルを作り出すことができました」と話しました。

多国間主義をもう一度世界の主流にしていくことが大切

乙武氏は、「バイデン大統領になることでの外交上の変化は、どのように見ていますか」と尋ねます。

岡本議員は、「多国間主義をもう一度世界の主流にしていくことが大切だと思います。安全保障の分野でも経済の分野でも、はぐれものみたいな国が出てきたら1対1だと喧嘩になる。最終的に紛争になってはいけないから、国際社会とはぐれものの対立軸をしっかり作り、国際社会のルールに従ってもらうようにしなくてはいけません。多国間主義で色々なものを前に進めていくことに、日本も協力すべきです」と話しました。

乙武氏が、「国際社会の枠組みを重要視した外交に戻っていくんですかね?」と尋ねると、「そうなるように日本がリードしてアメリカを引き込むことが重要です」と岡本議員は答えました。

2020年のアメリカ大統領選挙を岡本議員はどのように見ていたのでしょうか?

「『ここまで選挙に熱狂できるなんて、アメリカ人の情熱は凄いな』と思いました。自分のこととして候補を応援し、選挙活動をしている。政治を自分のことと捉えて頂けるような有権者とのコミュニケーションが大事だと思ったのが一つ目です。二つ目に、日本の開票の能力はスゴいなと思いました。

日本では、不在者投票も含めて1票でも違っていたら大変なこと。日本の民主主義の根幹はスゴい。政府対政府は、お互い利益がかかっているような時には利益が相反したりするから、仲が良い時も悪い時もあります。大事なのは、政府がどのように揉めていても国民と国民が強調すること。国民の代表が議員だから、議員外交は物凄く重要です。

日本の方が思っているほどアメリカ大統領の権限は大きくない。アメリカは議会の権限が大きくて、一人ひとりの議員と繋がることが物凄く大切。アメリカは議員の秘書の数が多くて、下院議員は平均20名程で上院議員だと平均50名程います。

共和党、民主党限らず、アメリカの議員と日本の議員が繋がっていくようなネットワークを作らないと、アメリカの政権が変わるたびに日本もそれに左右されてしまう。それをトランプ政権で学びました。今まで以上に議員外交をやっていき、何かあったらすぐコミュニケーションを取って、相手の立場を確認できるような人間関係を作るのが大事です」と話しました。

乙武氏は、「日本の中にもっと国際感覚を身に付けた議員が増えることも重要ですね」と投げかけます。

岡本議員は、「議員と議員が繋がることが重要で、カタコトでも自分の思いが伝わればいいのです。日本の議員が、もっと前向きに自分の言葉で相手を味方にできるようなネットワークを作っていくことで、他国にどういう政権ができたとしても、安定的に国と国が前向きに付き合えるような土俵になっていくと思います」と話しました。

岡本三成氏プロフィール

1965年佐賀県生まれ。創価大学卒業後、シティバンクに入社。同社勤務時に世界9万人の行員の中から2名だけが選出される「フェニックス・アワード」を受賞。米国ケロッグ経営大学院にて経営学修士号を取得した後、ゴールドマン・サックス証券で勤務。2012年、公明党公認で衆院選に立候補し、初当選。以降当選を重ね、現在4期目を務める。公明党青年局次長、外務大臣政務官などを歴任。現在は公明党国際委員長代理、同党国土交通部会長などを務めている。

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