抗血小板拮抗薬ベントラシマブが第IIb試験で主要目標を達成。PhaseBio社が発表

PhaseBio社が11月3日水曜日、抗血小板拮抗薬ベントラシマブ(bentracimab)がフェーズIIb試験で主要評価項目を達成したというトップライン結果を発表しました。PB2452としても知られるこの組換えモノクローナル抗体抗原結合フラグメントは、2017年にアストラゼネカからライセンスされたもので、大出血や緊急手術の場面で同社の医薬品であるブリリンタ(チカグレロル)の血液サラサラ効果を逆転させるための拮抗薬として開発されています。

フェーズバイオのチーフメディカルオフィサーであるジョン・リー氏は、以下のように述べています。

「今回の良好な結果は、これまでの臨床開発プログラムで見られたものと同様に心強いものです。これらのデータは、規制当局による承認の可能性に向けた重要な一歩です」

薬剤に関連した重篤なAE、血栓イベントはなし

本試験では、50歳から80歳までの203名の被験者を対象に、ベントラシマブまたはプラセボの静脈内投与を無作為に行いました。すべての被験者は、ブリリンタと低用量アスピリンからなる二重の抗血小板療法で前治療を受けました。

同社によれば、本試験は主要評価項目を達成し、血小板機能測定法「VerifyNow」を用いて、ブリリンタによる血小板機能の阻害をプラセボと比較して逆転させることに成功しました。

また、本試験では、薬剤に関連する重篤な有害事象や血栓症は報告されず、主な副作用は注射部位の打撲と頭痛で、両試験群で同程度の頻度で発生しました。健康な若年層のボランティアにブリリンタのみを投与し、アスピリンを投与しないことで実施したフェーズI試験、および健康な高齢者にブリリンタと低用量アスピリンを投与したフェーズIIa試験の結果と一致していると述べています。

2022年のFDA申請を目指す

ベントラシマブは、現在、シングルアームのフェーズIII試験であるREVERSE-ITでも同時に評価されており、コントロール不能な大出血や生命を脅かす出血がある患者、または緊急の手術や侵襲的処置が必要な患者において、ブリリンタの抗血小板作用を元に戻す効果を検証しています。測定法として「VerifyNow」は、ここでも有効性を評価するための主要な測定値です。

同社によると、REVERSE-ITの中間データは、11月15日に開催される米国心臓協会(AHA)の学術会議で発表される予定です。ここでの結果次第では、2022年半ばにベントラシマブをFDAに対して承認申請を行うことを検討していると発表しています。

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