菊間千乃氏も「寝れない…」連続する電車内事件に募る不安 〝無敵の犯人〟から身を守る術

自暴自棄の犯人を前にしては逃げるしかない(東スポWeb)

8日午前8時40分ごろ、熊本県を走行中の広島発鹿児島中央行き九州新幹線「さくら401号」(8両編成)で、男が液体をまき、持参のライターでレシートに火を付けた。新幹線は緊急停車。車内の一部が燃えたが直後に消し止められ、けが人はいなかった。またもや電車という“密閉空間”で事件が起きてしまった。電車では多くの人がスマホ画面に見入っているが、まずは車内に不審者がいないか、逃げるにはどうすればいいのかなどに注意を払わなければならない時代になってしまった。

県警は現住建造物等放火未遂の疑いで福岡市博多区大博町、無職三宅潔容疑者(69)を現行犯逮捕した。京王線電車で10月末に起きた乗客刺傷事件のニュースを見て「まねしようと思った」と供述。熊本駅から乗車し出発約5分後に非常ブザーが作動しており、すぐに火を付けたとみている。

事件前日の7日に「死にたいが死にきれない」と話していたことも知人への取材で判明。県警が動機や経緯を調べる。
京王線の刺傷事件は10月31日、東京都調布市を走行中の京王八王子発新宿行き特急で男(25)が乗客の70代男性を刺し、車内にライターオイルをまいて放火したとされる。刺された男性以外にも男女16人がけがをした。男は米人気コミックシリーズ「バットマン」の悪役・ジョーカーに憧れていた。

弁護士で元フジテレビアナウンサーの菊間千乃氏は9日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、事件による変化を告白。「昨日、電車乗ってて、電車って唯一、移動で座れた時にゆっくり寝られる場所だったんですけど私の中では」と切り出し「寝てないですね、あんまり人が…何となく」と警戒していたことを明かした。

その上で「みなさん、公共交通機関に対する利用の仕方がこういうことが増えていくと変わっていくし、今回電車ですけれどバスだって同じだし、不特定多数の人が密室の中で一緒にいる空間が長く続くという中でいうと、どうやって自分の身を守っていくとか考えないといけない時代」と指摘した。

“逃げ場のない”電車内で、どう注意しておけばいいのか。日米で連続殺人犯、大量殺人犯など数多くの凶悪犯と直接やりとりしてきた国際社会病理学者で、桐蔭横浜大学の阿部憲仁教授はこう語る。

「私がよく知るアメリカの刑務所の“プリズンギャング”のボスは、庭に出る時は一か所にとどまらず、常に動き続けることを心がけています。止まったら刺されるからです。逃げ場のない電車にも当てはまる考え方です」

電車内を移動し続けるというわけではない。混んでいる電車の中でも常に動ける場所を確認しておくということだ。

阿部氏は「開く窓があるかどうか。そして左右どっちから襲われても逃げられるよう、“車内の動線”の見当をつけておくということです。『死にたい』と言うような“自爆気質”を持つ犯人相手には、逃げるしかありません。シルバーシートの窓は開かないこともあるので、そのような状況を頭に入れておく必要があります」と指摘する。

車両連結部のドアは重要だ。「連結部のドアはすごく重いですよね。犯人のいる場所から隣の車両に移動して、数人でドアのレバーを押さえれば、まずドアが開くことはありません」(同)

これ以上、模倣犯が出ないことを祈るばかりだ。

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