ビッグバードのワクチン接種に米共和党議員「5歳児へのプロパガンダ」 セサミが反論

セサミストリートの人気キャラ・ビッグバード(ロイター)

米国の子供向け人気教育番組「セサミストリート」は日本時間9日までに、登場キャラクターによる新型コロナウイルスのワクチン接種告白を巡る反響に関連し、公式ツイッターで補足説明を行った。同告白には政治家らが批判的な声を上げており、セサミのツイートはそれらへの〝反論〟とも読み取れる。

「ビッグバードは新型コロナワクチンを受けただけであり、たくさんの方々が指摘したように、彼は自身と周辺の健康を保つことについて、ずっと以前から学んでいる」

そう訴えるセサミのツイートには、1972年の放送(同番組は69年開始)で、医師らがビッグバードに麻しん(はしか)のワクチンについて説明している動画が添えられている。

5~11歳児への接種が当局に推奨されているる一方、異論もみられる米国。セサミのキャラクター「ビッグバード」は現地6日、自身のツイッターでワクチン接種を明かし、自らと他者の健康を保つ上でプラスになるという趣旨の気持ちを伝えた。

これを受けてバイデン大統領が「グッド。接種は周囲の人々の安全保持に最もよい方法だ」とツイートする一方、ウェンディ・ロジャース、テッド・クルーズの両共和党上院議員らはツイッターで批判し、議論を呼んでいる。

ロジャース氏は「子供たちが耳を傾けるべきはイエス(キリスト)であり、ビッグバードではない」「ビッグバードは共産主義者だ」などと主張し、大統領選に名乗りを上げたことのあるクルーズ氏は「5歳児に対する政府のプロパガンダ(政治的宣伝)だ」。

クルーズ氏に至ってはさらに「子供たちよ、ビッグバードがワクチンを打ちにやってくる」として、ビッグバードを連想させる何者かがドアを破って侵入しようとするホラー映画ばりの動画もツイートに添付して恐怖をあおった。

ワクチン関連番組などでセサミと協力しているCNNは、ボクシング元世界王者のモハメド・アリ(故人)や世界的な人気歌手エルビス・プレスリー(同)といった米国を象徴する人物らもワクチンを推奨していたとして、ビッグバードを批判するクルーズ氏は「アメリカが嫌いなのか」と皮肉った。

そんな中でセサミが、ビッグバードとワクチンの関わりを補足説明。ビッグバード論争の火はおさまるのか。

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