ジネンジョを収穫 田辺市龍神村、300本見込む

パイプを掘り起こしてジネンジョを取り出す鈴木直孝さん(和歌山県田辺市龍神村福井で)

 和歌山県田辺市龍神村福井の鈴木直孝さん(74)は、ジネンジョを自宅近くの畑で栽培している。龍神村の特産品にならないかと取り組み、今年で3年目。10月中旬から収穫を始め、田辺市内の道の駅に出荷するなどしている。

 かつて龍神村にはジネンジョを栽培する農家が多かったが、最近はめっきり減っている。鈴木さんは知人から種芋をもらったことをきっかけに、地域おこしの一環と考え栽培を始めた。

 栽培は約1アールの畑から始めた。昨年は約4アールに増やしたが、長雨の影響でほとんど腐ってしまい不作だった。今年は約8アールに広げ、雨対策で畝をより高くして、種芋も昨年より200個多い350個を植えた。

 山にある良質の赤土を畝に投入するなど、土作りにも力を入れた。畝の中に長さ1.3メートル、直径7センチのパイプを水平に置き、その端に種芋を入れて土をかぶせる。秋の収穫期に掘り出すと、パイプの中に平均約1メートルの長さのジネンジョが育っている。

 鈴木さんは「今年は順調に育った。来年1月までに計300本ほど収穫できるだろう。掘り出して立派なジネンジョができた時はうれしい。道の駅で販売する他にも、贈答用として販路が広がっている。土作りの苦労があるが、今後も栽培を続けて龍神村の特産品にしていきたい」と話している。

 収穫したジネンジョは土を洗い落として出荷する他、竹を縦に半分に割って節を除いたものに入れ、ヒノキの葉を添えて包装して贈答用としても販売している。問い合わせは鈴木さん(0739.77.0025)へ。

■柳瀬ではコンニャク芋 小滝さんが栽培

 田辺市龍神村柳瀬の農業小滝啓太さん(39)が、自宅近くの畑で栽培しているコンニャク芋の収穫に追われている。農協へ出荷する他、地元でこんにゃくを製造している所へも提供している。

 十数年前、知人から分けてもらった五つの種芋を植えたのが始まり。当初は売るつもりはなかったが、うまく栽培できたことから、本格的に出荷するようになったという。

 現在は米や野菜などを栽培している畑のうち、コンニャク芋を約4アールで育てている。水はけをよくしたり、暑い時季は遮光ネットを掛けたりして大切に育てている。

 収穫した芋を植え替える作業を繰り返して大きくしていく。2、3年かけ大きくなったコンニャク芋を収穫して出荷する。病気に弱いので水管理に気を使うという。

大きく育ったコンニャク芋を掘り出す小滝啓太さん(和歌山県田辺市龍神村柳瀬で)

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