ヨネックス株式会社が2022年3月期第2四半期決算(連結)を発表、売上高と利益はともに第2四半期としては過去最高値を計上

ヨネックス株式会社(東京都文京区)は9日、2022年3月期第2四半期決算(連結)を発表した。売上高は347億8,800万円(対前年同期比57.5%増)で、営業利益は41億8,900万円(前年同期は△2億1,500万円)、経常利益43億500万円(同△1億4,400万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は33億4,400万円(同△7,300)と増収増益になった。

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、すべてのセグメントで減収となった前年に比べ、連結売上高の大半を占める「日本セグメント」と「アジアセグメント」、テニス用品の販売が好調な「北米セグメント」で業績が伸長し、大幅な増収増益なった。また、主に中国販売子会社における、主力のバドミントン用品の販売が大きく伸長したことにより、売上高、利益ともに第2四半期としては過去最高値を計上した。

なお、同社現地法人(中国、台湾、北米、ドイツ、イギリス子会社及びインド製造子会社)は2021年1月から6月の業績を連結対象としており、2021年6月30日現在の財務諸表を使用している。また、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いている。

またヨネックスでは2022年3月期の連結業績予想を修正。売上高は710億円(前回発表は680億円)、営業利益は55億円(同40億円)、経常利益は56億円(同41億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億円(同30億円)に上方修正。

売上高は、下期も中国のバドミントン、北米のテニスの好調が継続すると見込まれる一方で、日本国内においては屋内競技であるバドミントンの回復の遅れなど、依然として新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明な状況は続くと見込まれるため、慎重な見通しとしている。

利益については、増収に伴う売上総利益の増加が見込まれる一方で、中国における来期以降も見据えたさらなるプロモーションの実施と、日本国内の市場回復へ向け積極的なマーケティング施策を行うことによる販管費の増加を見込んでいるという。

2022年3月期第2四半期のセグメントの業績は、以下の通り。

スポーツ用品事業

日本

国内は、7月中旬から9月末にかけて発令された4度目の緊急事態宣言により、屋内競技施設の閉鎖や、部活動の制限、大会の中止などがあった。また、シューズやウェアなど一部海外委託生産の商品で新型コロナウイルス感染症の影響により生産遅延があったものの、引き続きオンラインでの情報発信や、宣言発令地域以外では感染対策を講じながら講習会や大会を実施し市場活性化に努めたこと、第1四半期での販売回復の影響が大きいこともあり、前年に比べ増収となった。

海外代理店向けの売上については、依然として地域によって感染状況に差があるものの、SNSを活用した積極的なオンラインでの情報発信や、制限が緩和されている地域においては小規模大会の実施などで需要喚起に取り組み、全体では増収なった。

利益面については、増収による売上総利益の増加に加え、工場の稼働回復及び向上により売上総利益率が大
きく改善し、前年と比べ大幅な増益となった。

この結果、売上高は188億3,600万円(対前年同期比56.4%増)、営業利益は17億6,400万円(前年同四半期は△11億9,400万円)となった。

アジア

売上については、中国販売子会社では、バドミントン中国代表チームを活かしたSNSや創業75周年の動画コンテンツなどの積極的な情報発信、レジェンド選手を活用したイベントや各種競技層を対象とした大会を開催するなど、新たなヨネックスのファン作りと市場活性化に注力。また、6月の大規模なオンラインセール「6.18」をはじめ、実店舗を含む販売キャンペーンも奏功し、バドミントンラケットをはじめとする主力のバドミントン用品を中心に大幅増収となった。

台湾子会社では、5月中旬から7月下旬にかけて新型コロナウイルスの感染が広がり、一部地域で警戒レベルが上がったことにより屋内競技施設やイベントの制限などで大会や試打会が中止、もしくは延期となったが、4月までは販売回復基調にあったことから、累計ではバドミントン用品を中心に販売が伸長した。

利益面については、主に中国販売子会社の増収及びセールスミックスによる売上総利益率の向上に伴う売上総利益の増加が、広告宣伝費をはじめとする販管費の増加を上回ったことにより、大幅な増益。この結果、売上高は133億4,400万円(対前年同期比66.7%増)、営業利益は23億3,800万円(同118.3%増)となった。

北米

北米販売子会社では、4月以降新型コロナウイルス感染症の影響による屋内競技施設の閉鎖や規制が徐々に緩和され、バドミントン用品は前年を下回るものの回復基調となった。一方で、好調を維持しているテニス用品は、試打機会の創出によるイベントなどの販促活動や、販売チャネルの強化が奏功しテニスラケットを中心に販売が大きく伸長し、大幅増収となった。

利益面については、営業・マーケティング強化のための人件費などの販管費が増加したものの、増収に伴う売上総利益の増加により、大幅増益。この結果、売上高は14億5,100万円(同57.2%増)、営業利益は1億7,200万円(同529.7%増)となった。

ヨーロッパ

ドイツ販売子会社では、バドミントン用品はワクチン接種が進み、屋内競技施設の規制が徐々に緩和されたことにより回復基調となり、テニス用品は引き続きラケットを中心に好調を維持し、累計で増収。イギリス販売子会社では、テニス用品は規制が緩和し需要が回復するも、屋内スポーツであるバドミントン用品は新型コロナウイルス感染症の影響で規制が継続しており、減収となった。

利益面については、第1四半期の減収の影響が大きく、前期同様営業損失となったが、売上総利益が増加し、各種大会の中止などや人件費の抑制により販管費が減少したことにより、損失幅は縮小した。この結果、売上高は8億6,400万円(同1.0%減)、営業利益は△2,300万円(前年同期は△5,400万円)。

これらの結果、各地域セグメントを合計したスポーツ用品事業の売上高は344億9,700万円(対前年同期比57.9%増)、営業利益は42億5,100万円(前年同期は△1億5,000万円)となった。

スポーツ施設事業

スポーツ施設事業の中核をなすヨネックスカントリークラブでは、ソーシャルディスタンスを保てるスポーツとしてのゴルフへの注目の高まりを活かし、シニア、レディースデイ、各種イベントなどを行い積極的に集客に取り組み、入場者数の増加を図った。この結果、スポーツ施設事業の売上高は2億9,000万円(対前年同期比17.5%増)、営業利益は6,700万円(同367.1%増)となった。

なお、セグメント別の記載において、売上高については、「外部顧客への売上高」について記載し、営業損益については、「調整額」考慮前の金額によっている。

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