打倒ヤクルトに頼もしい存在だが…後に響きそうな巨人の「亀井依存」

今季限りで引退する巨人・亀井(東スポWeb)

巨人の〝亀井依存〟の影響は果たして――。下克上日本一に向け、原巨人がヤクルトとのCSファイナルステージ(神宮)に臨む。主砲・岡本和真内野手(25)をケガで欠くチームで、存在感を増すのが今季限りで引退する亀井善行外野手(39)だ。阪神とのCSファーストステージでは「5番・左翼」で出場し勝利に貢献した。チーム内からは早くも「亀井ロス」を心配する声が上がっている。

チームは9日に神宮球場でナイター練習。原監督は「残ったチームは12球団のうちの4球団ですから、そこは意気に感じてね。プロ野球人として、誇りを持って戦ってくれる時間になると思いますよ」と前向きだった。

一方で左わき腹痛の主砲・岡本和はこの日も別メニュー調整。「練習ではもうほぼ100%に近い状態じゃないとね。ゲームっていうのはさらにその上に行くわけだからね」と、指揮官はあせらず回復を待つ構えだ。

チームは4番の穴を埋めようと一丸となっている。代役4番・丸はもちろん、対右投手の試合でカギを握るのが今季限りで引退する亀井だ。CSファースト前の円陣でキャプテン坂本は「亀さんが最後なので日本シリーズにみんなで連れていけるように」とゲキを飛ばしたが、背番号9は自力で〝夢舞台〟を引き寄せそうな勢いを見せている。

指揮官は引退会見での「戦力として困った時の亀ちゃん頼みというのはまだまだ卒業しない」との予告通り、ベテランを阪神とのCSファースト第2戦(7日、甲子園)に「5番・左翼」でスタメン起用。亀井は四球で出塁すると、8回には犠打をキッチリ決めるなど勝利に貢献した。

ベテランの奮闘がチームを鼓舞する一方でこんな声も。「亀井は左足のケガで5月に引退を決めていた。本来なら代打待機で十分なはずのベテランに頼らざるを得ないのが今のチームの現状。現役最後まで主力だった選手の後は、そう簡単には埋まらない」とチーム関係者は指摘する。

2019年には阿部現一軍作戦コーチが引退表明後もCSファイナル、日本シリーズには「一塁」「DH」でスタメン出場。その阿部の「穴」は2年たっても埋まらず、今季も一塁は固定できなかった。

もちろん亀井自身は1試合でも多く、仲間とプレーしようと集中しているだけ。とはいえこのまま亀井が頑張れば頑張るほど、その喪失感は大きくなりそうだ。

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